ウドー・ミュージック・フェスティバル06(モビリタ・ステージ2)

最前列近くから客席を撮影。1日目午前10時ごろ。まだ最初のアーティストが始まっていない時間です。このときは、客席に関するルールは何もない状態でした。最前列でもレジャーシートを敷き、いすを置いて座っている人がほとんどでした。この後、後方から若い観客がすき間を埋めるように前に進んできます。そこで、当初から前の方にいた40代、50代の人が「何時から並んだと思ってんだよ」と文句を言うと、フェスティバル慣れした若い観客が「指定席じゃないでしょう」と対抗していました。40代、50代の人にとっては、せっかく朝早く並んで確保した前の列を、あとから割り込んでくる若者に奪われるのが我慢ならなかったのでしょう。しかし、40代、50代の人にとっては、自分たちが70年代に体験してきたコンサートの「慣習」に従っているだけです。早く来た人がいい席を確保する、あとから来た人は後ろの席で我慢する、というのは、それ自体としては妥当なルールで、「あとから来た若いヤツは後ろで見てろ」と言うのは非常識な物言いとは言えません。しかし、フジロックフェスティバルやサマーソニックに慣れた20代の若者は、自分が見たいアーティストが来れば前に行き、それほどでもないアーティストではあっさり後ろに下がるというのが「慣習」になっています。最初から最後まで前の列に居続けることはありません。ウドー・ミュージック・フェスティバルは中高年をターゲットにしたロック・フェスティバルであるため、世代間の認識の違いがどこかで現れ、それがいさかいの原因になるのはやむを得ないところがありました。この件では、しばらく時間をおいてから主催者側の人が現れ「ステージ前はスタンディング形式とする」「レジャーシート、いすによる場所の占拠は不可」とのルール設定が宣言されました。若い人を中心に拍手が起き、後方から次々と人が押し寄せました。当初からいた人は押し出されるように態勢を縮小していきましたが、このとき若い人から「さっさとどけよ」という声がありました。こうした挑発的な態度が無用なトラブルを生むことを、若い人は自覚するべきでしょう。いくらそれまでの行為に落ち度がなくても。これによって、不快な印象が結局若者の方に残ってしまいます。

反対側のステージ前。

ステージ後方右側から。

ステージ後方左側から。

主催者側のルール設定のよって、いすに座って見てもいいことになったエリア。