関西方面からフジロックフェスティバルへの公共交通手段について(2014年改訂版)

関西方面からフジロックフェスティバルの会場へ、前夜祭(木曜日)の昼に到着する方法を書いておきます。

フジロックの運営上、木曜日の昼以前にたくさんの客が会場付近にいることは主催者にとって負担になります。警備の人手も余分に発生します。警備とはアーティストや機材や運営関係者を守る警備というよりも、客の安全を確保するための警備です。客に事故が発生すると運営者は結果論的に警備の不備を指摘され、客に全面的な自己責任を主張できません。想定された時間を考慮して、常識的な時間に行くことを勧めます。

1-1 新幹線で新神戸、新大阪から越後湯沢まで(最も無難な選択)

新大阪から

新大阪駅発の東京行き始発は午前6時発、8時26分着です(2014年6月の場合)。概ね2時間半で到着します。新大阪から東京へ行く客は多いため、自由席に座れないことがあります。座れなかった場合、デッキ等で長時間立つことになるため指定席を取った方が賢明です。

東京駅で東海道新幹線から上越新幹線に乗り換えますが、東京駅の構内で改札を通過します。乗り換え時間は数分、荷物が多くても十数分でしょう。 東京駅まで13620円、乗車券8750円、特急券4870円。越後湯沢駅まで18150円、乗車券10480円、特急券7670円。

新神戸から

新神戸駅発では午前6時9分発、8時53分到着です(2014年6月の場合)。概ね2時間45分程度で到着します。新大阪から東京へは新大阪駅発の便が多数ありますが、新神戸から東京行きは午前6時台から8時台まで3、4本しかありません。新大阪で乗り換えるなら5、6本ありますが、新大阪から乗る客は多いため、自由席に座れるかどうかは分かりません。東京駅まで片道14160円、乗車券9290円、特急券4870円。越後湯沢駅まで片道18470円、乗車券10800円、特急券7670円。

1-2 夜行バスで東京まで(安く行きたい場合)

夜行バスの利点は早朝に目的地に着くこと、料金が新幹線より安いことです。座席は寝ることを前提としたリクライニングシートとなっていますが、あくまでも座席であるため寝台特急のような平面ではなく、背もたれを倒しても130度~150度程度までとなります。料金は設備、快適性により3000円程度から1万円程度まで。低価格の場合、座席は狭く、隣席との仕切りカーテンがないなどプライバシーはありません。

大阪から

大阪駅JR高速バスターミナル、阪急梅田駅、プラザモータープール(梅田芸術劇場の北)、なんば駅、天王寺など、運行会社やコースによって乗り場は異なります。大阪梅田近辺の場合、乗車時刻は20時台から23時ごろまでが多いようです。東京へは午前6時台から8時台に到着します。東京駅が終着ではないことが多く(東京駅は通過地点)、降車時刻、場所を自分で判断しなければなりません。

神戸(三宮)から

神戸市役所花時計前、三宮バスターミナル(ミント神戸)から出発することがほとんどです。

1-3 寝台特急「サンライズ出雲」で東京まで(現地に早く行きたいが仕事等で遅く出発しなければならない場合)

関西から東京へ行く寝台列車に「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」があります。出発地はそれぞれ出雲市駅、高松駅ですが、岡山駅で連結されます。この列車が三ノ宮駅と大阪駅に停車します。そこから乗れば東京駅まで寝台列車で行けます。三ノ宮駅は午前0時13分、大阪駅は0時34分発車で、東京駅に7時8分に着きます。京都駅、名古屋駅には止まりません。「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のメリットは、大阪から東京へ行く公共交通機関の中で、最も遅い時間(午前0時台)に出発するということです。

寝台には6種類あり、上位は個室のベッド、下位はカーペット上に毛布だけです。6種類のうち上位から5種類は寝ることを想定した「寝台」の設備になっていますが、最も安い席は「寝台」ではなく「指定席」という扱いです。寝ることは可能ですがあくまでも座席です。大阪・東京間の場合、乗車券、特急券、寝台券を合算すると、最高額は25390円、最低額は11980円。新幹線より安くなるのは最も安い席種だけで、仕切りはないに等しいので女性には無理でしょう。2番目に安い席種は18140円で、新幹線(13620円)より高くなります。

JR西日本の「サンライズ出雲」のページ(時刻、価格表記なし)

1-4 新幹線と夜行電車「ムーンライトながら」で東京まで (水曜夜に出発し、できるだけ早く現地に着きたい場合)

JR東日本によると、2014年夏の「ムーンライトながら」は7月26日(土曜日)から運行。23日(水曜日)から25日(金曜日)は運行しません。したがってフジロックの前夜祭、初日には利用できません。以下は2013年の情報。

夜間に大垣から東京へ向かう快速電車が「ムーンライトながら」です。大垣駅発22時49分、名古屋駅発23時20分で、東京駅に午前5時5分に着きます。新大阪駅を22時3分に出て名古屋駅(23時5分着)まで新幹線に乗り、名古屋駅でムーンライトながらに乗れば東京駅に午前5時5分に着きます。寝台車ではないので座席は通常のいす席です。ムーンライトながらは指定席券510円が必要です。

これを利用するメリットは、東京駅から越後湯沢駅に行く新幹線の始発(午前6時8分発)に乗れるということです。午前7時24分には越後湯沢駅に到着します。新大阪駅から越後湯沢駅までムーンライトながらを併用した場合、乗車券、特急券、指定席券が計16340円。すべての区間を新幹線で行った場合に比べて1300円安いだけです。越後湯沢駅に午前7時台に着いても、シャトルバスは運行していないので会場へはタクシーか路線バスを使うことになり、経済的な差はほとんどなくなります。早く到着したい人の多くはテント設営の場所確保のためとみられますが、そこにどれほどの価値を見出すかによって考えればいいでしょう。

2-1 東京駅から新幹線で越後湯沢駅まで(関東在住の場合の一般的な選択)

始発は午前6時8分発、7時23分着(2014年6月の場合)。概ね70分から90分で越後湯沢に到着します。最終は東京駅発22時24分、越後湯沢駅着23時52分。この時間に着いてもシャトルバスは運行しています。乗車券、特急料金で計6150円。フジロックフェスティバル開催期間中の金曜と土曜には、フジロックフェスティバルの客向けとみられる臨時便が増発されます(月曜には帰りの客向けの臨時便も出ます)。2013年の場合、東京駅午前6時44分発が7月26~28日、9時32分発が7月26日、27日のみの運行となっています。

2-2 東京駅から在来線で越後湯沢駅まで

在来線の場合、午前4時台から5時ごろ東京駅を出発して越後湯沢に8時58分に到着するのが最も早くなりますが、直通便はないので乗り換えが数回あり、午前4時台に東京駅に行かなければならないことを考えると現実的ではありません。通常の時間帯で行く場合、少なくとも3回乗り換えし、約3時間半から4時間で到着します。正午ごろに越後湯沢駅に着くなら、午前8時ごろに東京駅から高崎方面の電車に乗ればいいことになります。この場合、乗車券のみの料金で3350円となります。

3 越後湯沢駅からフジロックフェスティバルの会場へ

越後湯沢駅からフジロックフェスティバルの会場へは、シャトルバス、路線バス、タクシーを使うことになります。バスなら約40分かかります。徒歩で行くことはほぼ不可能で、距離の問題よりも安全面からやめた方がいいでしょう。自転車で行く人は忌野清志郎やタワーマスクなどまれにいますが、国道17号線を東京方面から来ているとみられ、徒歩と同様に危険です。フジロック開催期間中は、現地の道路に慣れていない客や関係者が運転する車がたくさん走っており、特に客は「もうすぐ会場」という高揚した気分で運転しているため直線では飛ばします。

3-1 シャトルバスの場合

シャトルバスは前夜祭(木曜日)の正午から運行するため、越後湯沢駅に午前中に着いてもすぐに乗ることはできません。例年、バス乗り場に行列ができ、駅の内部まで並びます。バスは駅近辺の営業所から順次くるので、運行が始まると行列もすぐに進んでいきます。会場まで約40分。途中の駐車場にも止まります。座席が全部埋まれば通路にも客を乗せます。終演後の月曜日のシャトルバスは座席に座る客だけで運行することが多く、客が通路に立つのは客が希望した場合になることが多いようです。料金はかつて無料でしたが、最近は行きのみ500円を現地徴収、帰りは無料となっています。

3-2 路線バスの場合

越後湯沢駅と苗場温泉街の路線バスは南越後観光バスが運行しており、フジロックフェスティバル開催中も運行しています。路線バスなので乗降客がいれば途中のバス停も止まります。本数は少なく、1日で8本。午前中の出発は4本。最終便は18時5分発なので、夜の路線バスはありません。降りる場所が分からなくてもフジロック期間中は乗務員が到着し次第アナウンスしてくれます。約48分。2013年の場合620円(2014年は運賃が上がっています)。荷物が大きくなると手荷物料金を払う必要があります。一般的に荷物がスーツケース1つなら許容されるようですが、それ以上に大きかったり1人分のスペースを荷物で占有したりする場合は手荷物料金がかかります。手荷物料金は100円。

南越後観光バス

3-3 タクシーの場合

タクシーはバスよりも運転速度が速いため約30分で到着。降車する場所により6000円から7000円です。2人か3人で乗れば1人あたりは当然安くなりますが、客は4人乗車が限度です。4人も乗ると荷物も相当な量になるためトランクに入らず、現実には3人乗車が多くなります。

4 航空機の場合(特に事情がない限り検討不要)

大阪空港から新潟空港まで65分です。1便は午前7時20~30分ごろ出発、新潟空港に8時25~35分ごろ到着です。日本航空、全日空とも普通運賃で35000円、28日前までの予約なら15400円。新潟空港からJR新潟駅までシャトルバス(400円)が出ています。概ね25分程度かかります。新潟駅から越後湯沢駅まで新幹線で約50分、4860円。在来線で約3時間、2270円。在来線は長岡駅で乗り換えることが多く、時間と手間を考えると現実的ではありません。

大阪空港の新潟行き1便に乗って、シャトルバスと新幹線を使っても、最速で越後湯沢駅に到着するのは午前11時4分(2014年6月現在)になるとみられます。新大阪駅から新幹線で越後湯沢駅に到着する最速時刻は午前10時22分(同)なので、航空機を使うメリットは時間的にも経済的にもありません。

5 自家用車で高速道路を走る場合

自家用車で行く場合は、神戸から米原ジャンクションまで名神高速、米原から長岡まで北陸道、長岡から湯沢インターまで関越道、湯沢から苗場まで国道17号線を走れば8~9時間です。実際は途中休憩が入るので10~11時間かかります。普通車で豊中ICから12800円、西宮ICから13000円、阪神高速京橋IC(三宮に最も近いIC)から13930円。