1962年。「ハイ・ロン・ロン」で知られるクリスタルズの最初のアルバム。クリスタルズはアフリカ系女性5人組で、この当時16歳から17歳。フィル・スペクターのフィレス・レコードから最初に出たアルバムだが、編曲やサウンドは当時のポップスと大きくは変わらない。「恋のアップタウン」収録。
1963年。12曲のうち9曲が前作と同じだが、録音は異なる。ドラムはハル・ブレインが演奏し、アレンジはジャック・ニッチェが行っている。ロサンゼルスのスタジオミュージシャン集団であるレッキング・クルーが参加しており、前作よりもバンドサウンドに寄っている。「ヒーズ・ア・レベル」と「愛しているんだもの」はダーレン・ラヴが歌っており、コーラスもクリスタルズではなくブロッサムズだが、クリスタルズの曲としてヒットしている。
1963年。ダーレン・ラヴが参加している男性1人、女性2人のグループ。唯一のアルバム。ウディ・ガスリーの「我が祖国」をカバーしている。「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」はディズニー映画の挿入歌。「ドクター・カップランズ・オフィス」は大瀧詠一のラジオ番組のテーマに使われた。
1963年。「ハイ・ロン・ロン」収録。12曲のうち4曲をロネッツが歌っている。低音が強調され、ハル・ブレインのドラム、分厚いベースとして使われるバリトンサックス、リズム楽器として使われるピアノ、パーカッション、手拍子等が詰め込まれている。
1963年。フィレス・レコードのベスト盤。クリスタルズが3曲、ボブ・B・ソックス&ザ・ブルー・ジーンズが3曲、ロネッツが1曲、ダーレン・ラヴが4曲、アリー・キャッツが1曲。ロネッツは「あたしのベビー」を収録。
1964年。ロネッツの唯一のアルバム。ストリングス、ホーンセクション、コーラスが一体となった、ウォール・オブ・サウンドが完成している。12曲のうちシングル曲を5曲収録。ディキシー・カップスの「チャペル・オブ・ラヴ」のカバー。
2011年。フィル・スペクターが設立したフィレス・レコードのアルバム6枚を集めたボックスセット。シングル盤のB面曲等を集めたボーナスディスクを付け、7枚組として発売。
2011年。「フィル・スペクター・プレゼンツ・ザ・フィレス・アルバム・コレクション」のボーナスディスクとして、シングル盤のB面収録曲を集めたCDが付けられた。ジャズのインスト曲が多く、スタジオミュージシャンはジャズ出身がほとんどであることが分かる。
1963年。クリスマス盤。フィレス・レコードの主要4アーティストが録音。クリスタルズやロネッツのアルバム以上に、ウォール・オブ・サウンドの特徴がよく出ており、他のクリスマス盤とは異なる意味を持っている。バンド、ホーンセクション、パーカッションを含め17人が参加し、ストリングスが加わる。最後の「きよしこの夜」はストリングスを背景にフィル・スペクターの語りが入っている。