1986年。元スコーピオンズのギターであるウリ・ジョン・ロートの弟、ジーノ・ロートが、ベースのウレ・リトゲン、ボーカルのマイク・フレクシグと組んだバンド。冒頭の「イースタン・サン」は後にフェア・ウォーニングのライブでも演奏される代表曲。マイク・フレクシグの声とジーノ・ロートのギターがともに高いキーを出せるため、メロディーの幅に余裕ができる。ウリ・ジョン・ロートほどマニアックな趣味に走らないので質の高いメロディアス・ロックになっている。「エマージェンシー」はアバの「アズ・グッド・アズ・ニュー」の影響か。
1995年。ボーカルはマイク・フレクシグ、トミー・ハート、ヘルゲ・エンゲルケが曲ごとに交代している。フェア・ウォーニングのメンバーが全面的にバック・アップ。1曲目の「ヒート・オブ・エモーション」はフェア・ウォーニングのデビュー盤にも収録。過去に作りためた曲を録音しているので企画盤とも言える。「トゥゲザー」収録。
1998年。ジーノ・ロートがすべての楽器を演奏し、マイク・フレクシグが歌っている。ジャケットやブックレットには、ジーノ・ロートの強い歴史趣味が表れている。多くの曲にジーノ・ロートがコメントをつけている。「サム・ロックス・ドント・ロール(ジミ・ヘンドリクスとボブ・ディランに)」の途中のハーモニカはボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」か。この曲のコメントは「曲中のどこかで聞いたことのあるフレーズは、作者の意図したところである」となっている。ギターもボーカルも従来通り高音を駆使。
2005年。1983年から1989年までに録音されたZENOの曲を集めた企画盤。11曲のうち9曲はボーカルがマイク・フレクシグ、2曲はトミー・ハート。ベース、ドラムはフェア・ウォーニングのメンバー。80年代の録音なのでサウンドはキーボードが厚いハードロックになっている。トミー・ハートのボーカルはフェア・ウォーニングのときほど深みはない。マイク・フレクシグのボーカルこそがZENOのサウンドだ。
2006年。前作に続き、ジーノ・ロートがすべての楽器を演奏したことになっている。70年代後半から80年代のハードロックが好きな人には好意的に評価されるサウンドで、版権はバーン・コーポレーションが所有している。
2001年。フェア・ウォーニングのヘルゲ・エンゲルケがフェア・ウォーニング解散後に結成したバンド。フェア・ウォーニングの曲を違うメンバーでやっているかのような音。「ユア・ライフ」のイントロは60年代中期のサーフィン・サウンド、リック・デイルの音、歌い出しのメロディーはモット・ザ・フープルの「すべての若き野郎ども」。常にフェア・ウォーニングの幻影を想像しながら聞かれるのはこのバンドの宿命で、早く何らかの個性を出さないと失速する。
2001年。先行シングル。タイトル曲はアルバム・バージョンよりもいい。5曲のうちアルバム未収録曲1曲、未発表バージョン3曲。
2003年。前作と同路線。フェア・ウォーニングとは違い、キーボードが正式メンバーなので、ところどころで短いコンピューターチックなサウンドが聞かれる。オープニング曲の構成は斬新で、間奏に目立ったギターソロを置かず、エンディングにいつもの高いキーによるギターソロを持ってきている。これによって曲が大きく盛り上がる。コーラスもフェア・ウォーニング時代より厚い。バラードの傑作が欲しいところだ。
2008年。
2003年。フェア・ウォーニングのギター、アンディ・マレツェクが、ボーカルのミカエル・アーランドソンと結成したグループ。ベース、ドラム、キーボードはヨーロッパのメンバー。アンディ・マレツェクがフェア・ウォーニング時代の「ピクチャーズ・オブ・ラブ」を、ミカエル・アーランドソンがソロ時代の「ザ・ワン」を再録音している。フェア・ウォーニング時代の面影はあまりなく、通常のメロディアスなロックになっている。オープニング曲の「アゲイン・アンド・アゲイン」はエイジアの「ヒート・ゴーズ・オン」を思い出す。ボーカルはもう少し表情を変化させた方がいいかもしれない。「アイ・ネバー・レット・ユー・ゴー」収録。
2004年。ミカエル・アーランドソンとアンディ・マレツェク以外のメンバーが抜け、イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース、タリスマンのベースのマルセル・ヤコブ、タリスマンのドラム、クリスタル・ブルーのキーボードが参加。それぞれの音が薄く、意図してそうしたのではないかと思うほどだ。アンディ・マレツェクの活躍が少なく、ミカエル・アーランドソンのバンドと思われてもしょうがない。「ヒート・オブ・エモーション」はフェア・ウォーニングの曲。この曲自体はウレ・リトゲンの作曲。
2005年。キーボードが抜け4人編成。キーボードはボーカルのミカエル・アーランドソンが演奏している。名実ともにミカエル・アーランドソンのバンドとなり、ギターよりもキーボードの方がメロディーを主導することが多い。前作よりサウンドはよくなっており、明るめの曲調もあってあか抜けている。
2006年。
2007年。
2008年。ライブ盤。
2008年。
2009年。
2010年。
2011年。
2012年。