X-WILD/VOICE

  • ドイツのヘビーメタルバンド。いずれも勇壮さを打ち出していたが、解散している。

1
SO WHAT!

1994年。ランニング・ワイルドが「パイル・オブ・スカルズ」を出したあと、脱退した3人のうちギターとベースが結成したバンド。ドラムはハロウィンのステファン・シュヴァルツマン。ランニング・ワイルドと同じようなことをやっているが、ボーカルやギターのメロディーは本家に負ける。

2
MONSTER EFFECT

1995年。ランニング・ワイルドのロックン・ロルフは音楽のルーツを70年代後半のシン・リジーあたりに持っているが、このバンドは80年代のジューダス・プリーストとアイアン・メイデンから影響を受けていることが分かる。特に全盛期アイアン・メイデンの影響は顕著。デビュー盤よりも質が高い。セックス・ピストルズの「ボディーズ」をカバーしている。その中にジューダス・プリーストの「エレクトリック・アイ」のフレーズが出てくる。

3
SAVAGELAND

1996年。ドラムが脱退し、グレイヴ・ディガーのドラムがゲストで演奏している。コンセプト盤。イントロが3分もある。ヨーロッパ人ならではの創作ファンタジーで、「チルドレン・オブ・ジ・アンダーグラウンド」では児童合唱を導入。キーボードも必要に応じ使用。サウンド、コンセプト、ジャケットの統一性は典型的ヨーロッパ型ヘビーメタルを実践している証し。「ダイ・ライク・ア・マン」のコーラスはアクセプトの「ボールズ・トゥ・ザ・ウォール」。このアルバムで解散。

 
PREDICTION/VOICE

1997年。6人編成。バンド名はメンバー全員がボーカルを取れるところからきているという。とはいえボーカルは専任ボーカルが担当しており、コーラスもブラインド・ガーディアンやグレイヴ・ディガーほど重厚でもない。ボーカルとベースが兄弟。

 
TRAPPED IN ANGUISH/VOICE

1997年。ドイツのバンドで、こうしたオーソドックスなヘビーメタルをやること自体が珍しいのかもしれないが、そのこと自体が評価につながるわけではない。「イン・ザ・ナイト」の間奏はブラームスのハンガリー舞曲第5番か。

 
GOLDEN SIGNS/VOICE

2001年。ドラムにステファン・シュヴァルツマンが加入。キーボードが抜け5人編成。日本デビュー盤。オープニングは男らしい勇ましいコーラスで始まる。日本盤ボーナストラックはデビュー盤の曲を入れているだけ。

 
SOULHUNTER/VOICE

2003年。前作のオープニング曲ほどインパクトのある曲はないが、総じて水準に達したヘビーメタルをやっている。なにか特徴のあるサウンドを提示してもよかった。コンセプト性の少ないヘビーメタルで重厚コーラスをやるバンドはほかに見あたらないからである。このアルバムで解散。