1995年。ギター2人の5人編成。当時人気があったアングラの弟的なバンドとしてデビューした。サウンドはアングラのアンドレ・マトスが標榜するようなヘビーメタルではなく、キーボードが入るややプログレッシブ・ロック風ヘビーメタルだった。このアルバムを聞いたファンの多くはアングラ風の音を期待したため、もとより違う方向を向いていたバンドは気の毒だった。ブラジル出身にしてはドラマチックなサウンドだ。
1996年。ボーカルが弱いところで損をしているが、流行のプログレッシブ・ヘビーメタルに近づいていることで質を維持している。キーボードが全編に入っており、添え物以上の役割を担っている。ギターが1人抜けている。
1998年。キーボードが加入し5人編成。サウンドがあか抜けてギターもボーカルもうまくなった。進歩はしているが英米のバンドとまだかなりの開きがある。
2002年。ヨーロッパ的感覚を前面に出して大きく飛躍した。ドイツの中堅バンドだと言われても遜色ない。メロディーの流れがなめらかで、ドラムやギターの音質も向上している。重さを感じさせないスピーディーな曲は、ハロウィンからの影響が強い。ジャケットのヨーロッパ指向はそのままサウンド指向を表している。ストリングスも多用。この後解散。
2005年。ボーカルがバンドを再結成し、ボーカル以外のメンバーを全員入れ替えた。4人編成。全曲をボーカルが作詞作曲。キーボードも入る。ラビリンスに近いサウンドで、ボーカルはエドガイのトビアス・サメットが低くなった感じ。ボーカルにもう少し表現力が欲しい。曲の半数が2分台で、最も長いオープニング曲でも5分。オープニング曲は途中でボーカルとギターだけになる部分があり、編曲に凝っている。
2011年。ストリングスを入れ、コーラスを強化している。アンソレ・マトス時代のアングラ、エドガイ、ヘヴンリーに近いサウンド。ボーカルに粘着力があり、コーラスは男性の高音がほとんどなので厚みはない。ボーカル、コーラスとも表現力の幅がもっと必要だ。
2011年。ライブ盤。