1978年。ポップなメロディーと明快なリズムで曲が覚えやすいこともさることながら、ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンに近いメッセージ性が、メンタリティーを重視するパンクと共振した。裏ジャケットには政治に対するトム・ロビンソンの考え方が書かれている。「凶暴のロンドン・タウン」は歌詞にロンドンは出てこないが、邦題にロンドンが入っている。「権力の罠」「お前自身の道」という邦題も、パンクが持っていたイメージに合わせたタイトルだろう。キーボードはハモンドオルガンを使う。アルバムタイトル曲はドゥービー・ブラザーズのようなサウンド。「ウィンター・オブ'79」はブルース・スプリングスティーンを思わせる。オープニング曲の「2-4-6-8モーターウェイ」がヒット。プロデューサーはクリス・トーマス。
1979年。邦題「TRB2」。キーボードがピアノ中心になり、サウンドもソウル調のロックが多く含まれる。「ブラック・エンジェル」「ホールド・アウト」などがアルバムのイメージを形作っている。一緒に歌えるような曲は「オール・ライト、オール・ナイト」だけで、アルバムとしての親しみやすさは減っている。「オール・ライト、オール・ナイト」「怒りの日々」はアップテンポのロック。「ブラック・エンジェル」は女性コーラスが参加するソウル。「通りを越えて」はブルース調。「法と規律」はキーボード奏者がピアノの弾き語りで歌う。「ブーリー・フォー・ユー(悪ガキ)」はトム・ロビンソンとピーター・ガブリエルの共作。「ブルー・マーダー」は警察による集団暴行で死亡したアマチュアボクサーについて歌っており、同時期に他のパンクバンドも採り上げている。プロデューサーはトッド・ラングレン。再発売盤ではトム・ロビンソンとエルトン・ジョンが共作した「ネヴァー・ゴナ・フォール・イン・ラヴ・アゲイン」が収録されている。このアルバムで解散。