THREE DOG NIGHT

  • ボーカルが3人いるアメリカのロックバンド。ボーカルに重点を置き、多数のヒット曲を持つ。
  • ボーカルはコリー・ウェルズ、ダニー・ハットン、チャック・ネグロン。
  • ボーカルの3人は白人ながらソウル風のの見事なボーカルを聞かせる。
  • 代表曲は「喜びの世界」「セレブレイト」「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」「ブラック・アンド・ホワイト」「ママ・トールド・ミー」。

1
THREE DOG NIGHT

1968年。ボーカル3人、ギター、ベース、ドラム、キーボードの7人編成。3人のボーカルがそれぞれ優れた実力を持っており、バックバンドのついたアフリカ系ボーカル・グループというサウンド。「ワン」はニルソン、「ヘヴン・イズ・イン・ユア・マインド」はトラフィック、「イッツ・フォー・ユー」はシーラ・ブラック、「チェスト・フィーヴァー」はザ・バンド、「ザット・ノーワン・エヴァー・ハート・ディス・バッド」はランディ・ニューマン、「ザ・ローナー」はニール・ヤング、「トライ・ア・リトル・テンダネス」はオーティス・レディングのカバー。この中で重要のなのは「ワン」と「ザット・ノーワン・エヴァー・ハート・ディス・バッド」で、無名時代のシンガー・ソングライターを取り上げたことが評価されている。「トライ・ア・リトル・テンダネス」は日本デビュー曲。

2
SUITABLE FOR FRAMING

1969年。邦題「話題の新星 スリー・ドッグ・ナイト・セカンド」、後に「融合」。コリー・ウェルズの黒人ぽさが目立つ。「レディ・サマンサ」「イーライズ・カミング」「イージー・トゥ・ビー・ハード」「セレブレイト」収録。

 
CAPTURED LIVE AT THE FORUM

1969年。邦題「白熱のライヴ」。ライブ盤。

3
IT AIN'T EASY

1970年。オープニング曲の「ウーマン」は見事なコーラス。「グッド・フィーリング1957」はドゥー・ワップ。「ママ・トールド・ミー」「アウト・イン・ザ・カントリー」収録。

4
NATURALLY

1970年。「ワン・マン・バンド」「ライアー」「喜びの世界」収録。

GOLDEN BISQUITS

1971年。ライブ盤。

5
HARMONY

1971年。エンディングの曲は詩の朗読と曲がメドレーになっている。それほど重厚な曲ではない。「ネバー・ビーン・トゥ・スペイン」「マイ・インパーソナル・ライフ」「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」「ユー」「ザ・ファミリー・オブ・マン」収録。

6
SEVEN SEPARATE FOOLS

1972年。従来の黒人ぽさを出したポップスから、アメリカ人全体のルーツを探るようなサウンドに変化している。「ケンタッキーの我が家」は有名なカントリー曲。「プレリュード・トゥ・モーニング」は「ピーシーズ・オブ・エイプリル」へ続くインスト曲。「ある愛のすべて」「ブラック・アンド・ホワイト」「イン・ベッド」「ミッドナイト・ランナウェイ」収録。

AROUND THE WORLD WITH THREE DOG NIGHT

1973年。ライブ盤。LPでは2枚組。1枚目のA面がイギリス、B面がドイツ、2枚目両面が日本でのライブとなっている。「オルガン・ソロ」と「ドラム・ソロ」があり、実質的に15曲の収録。「イーライズ・カミング」はすばらしい。

7
CYAN

1973年。このアルバムからストリングスが増え、ややなじみやすいサウンドになった。「イントゥ・マイ・ライフ」は70年代以降のポップ化されたゴスペル風。「シャンバラ」収録。

8
HARD LABOR

1974年。キーボードが1人増え8人編成。オープニング曲の「プレリュード」はエンディング曲の「ザ・ショー・マスト・ゴー・オン」のイントロになっており、アルバムの最初と最後がつながる仕組みになっている。「アイド・ビー・ソー・ハッピー」はバンドで最もすばらしいバラード。

JOY TO THE WORLD:THEIR GREATEST HITS

1974年。ベスト盤。

9
COMING DOWN YOUR WAY

1975年。ストリングス、ホーン・セクションが入り、バンドサウンドにこだわらなくなった。「ミッドナイト・フライヤー」は本格的にシンセサイザーが使われる。黒人を思わせるボーカルが減った。

10
AMERICAN PASTIME

1976年。邦題「アメリカ回顧録」。ギター、ベース、ドラム、キーボードが交代。キーボードはハモンドオルガン以外にも複数の鍵盤楽器の音を使う。「ビリー・ザ・キッド」「サウスバウンド」は従来のスリー・ドッグ・ナイトのイメージ。ジャケットはアメリカの過去の栄華を感じさせるが、サウンドは70年代後半当時の新しい音を取り入れており、個性が薄れてしまった。2013年に日本で紙ジャケットで出たのが世界初CD化となっている。

 
CELEBRATE THE THREE DOG NIGHT STORY 1965-1975

1993年。未発表曲等を含むベスト盤。「スリー・ドッグ・ナイト」から「ハード・レイバー」まで。