TEN/GARY HUGHES

  • イギリスのハードロックバンド。ボーカルのゲイリー・ヒューズ、ギターのヴィニー・バーンズを中心とする。
  • 日本で人気があった。ヨーロッパでも人気が出るのは「スペルバウンド」から。アメリカでの知名度はない。

1
TEN

1996年。ボーカルのゲイリー・ヒューズ、ギターのヴィニー・バーンズを中心とするグループ。ボーカル、ギター、ドラムが正式メンバーで、ベースとキーボードはゲスト参加。ギターとドラムは元デアーのメンバーで、このバンドもそれに近いサウンドになっている。ハードロックとはいえミドルテンポが多く、事実上ゲイリー・ヒューズのボーカル・アルバム。ホワイトスネイクのデイヴィッド・カヴァーデイルに似た声で、哀愁を帯びたハードロックをイギリス人がやっていることが日本で受け入れられた。

2
THE NAME OF THE ROSE

1996年。ギター、ベース、キーボードが加入し6人編成。サウンドがハードになり、見た目にもハードロックだ。ギターもソロをとり、バンドの体をなしている。ボーカルはやや一本調子か。1曲平均6分は長い。

3
THE ROBE

1997年。ベースが抜け5人編成。キーボードが厚くなり、コーラスも必要十分に入る。曲によっては合唱団も入る。適度にハードさも備え、ハードロックとして質が高い。プロデューサーが80年代ハードロック・ブームに活躍したマイク・ストーンだということもいい影響を与えている。バス・ドラムの音がこもり気味。

 
YOU'RE IN MY HEART

1997年。シングル盤。「ユー・アー・イン・マイ・ハート」はシングル・バージョン。アルバム未収録曲3曲、「ユー・アー・イン・マイ・ハート」のカラオケ・バージョン収録。

NEVER SAY GOODBYE

1998年。ライブ盤。

4
SPELLBOUND

1998年。ベースが加入し6人編成。合唱はないが弦楽器奏者が参加し、オープニング曲や「ウィ・ルール・ザ・ナイト」「ワンダーランド」でキーボードとは異なる雰囲気を出している。「ジ・アルケミスト」から「ワンダーランド」がハイライトだが、あとの3曲は緊張感が下がる。ギターのヴィニー・バーンズの自己主張が強くなり、高速演奏も出てくる。このバンドにそうした演奏が必要かどうかは分からない。個々の曲が短くなったのはいい。

 
FEAR THE FORCE

1999年。シングル盤。「ザナドゥ」はオリビア・ニュートン・ジョンとエレクトリック・ライト・オーケストラのカバーではない。「レインボー・イン・ザ・ダーク」はディオのカバーではない。「スペルバウンド」収録曲のアコースティック・バージョン3曲収録。

THE BEST OF TEN 1996-1999

1999年。ベスト盤。

5
BABYLON

2000年。キーボードはレインボーのドン・エイリー。曲の途中にナレーションが入る。バンド・サウンド中心で、ストリングスや合唱、コーラスはほとんどない。曲はこれまでと同じ路線で、物語の内容を把握すれば抑え気味のボーカルで歌うことの意味がうかがえる。「ヴァレンタイン」はすばらしい。過去最高のバラードではないか。

6
FAR BEYOND THE WORLD

2001年。キーボードが交代。前半はリラックスしたような曲が続き、構えたようなサウンドはあまりない。「フー・ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ラヴ?」はキーボードの音色とメロディーがよくかみ合ったヒット性の高い曲。このくらいの曲がもう一つあればよい。

7
RETURN TO EVERMORE

2004年。中心人物の1人であったギターのヴィニー・バーンズが交代。前作と同路線。「エヴァーモア」はゲイリー・ムーアの「オーバー・ザ・ヒル・アンド・ファー・アウェイ」のような曲。

8
THE TWILIGHT CHRONICLES

2006年。ベースが抜け、ドラムが交代。ベースはギターが兼任。キーボードを含む5人編成。オープニング曲は2部構成で12分。その後の9曲は7分前後。オープニング曲はプロローグと本編という分け方をしているが、本編のエンディングにプロローグと同じサウンド、フレーズがあり、事実上3部構成になっている。この曲を3部構成にしなかった理由は、最後の曲にエピローグが出てくるから。最後の曲は2部構成で、本編とエピローグに分かれている。1曲目のプロローグと10曲目のエピローグに共通するメロディーやフレーズはない。ミドルテンポ中心のハードロック。ボーカルは低音を得意とするので一般的なハードロック・バンドのような突き抜けたメロディーは多くない。

9
STORMWARNING

2011年。

10
HERESY AND CREED

2012年。

BIG BAD WOLF/GARY HUGHES

1989年。テンのボーカル、ゲイリー・ヒューズのソロ・アルバム。

 
GARY HUGHES/GARY HUGHES

1992年。テンに比べると明るめの曲がやや多く、全体的な声の高さも若干高めだ。サウンドはギターもキーボードもハードロック調で、アダルト・オリエンテッド・ロックのような減衰音中心ではない。このサウンドをそのままテンのアルバムに採用してもいい評価になるだろう。

 
PRECIOUS ONES/GARY HUGHES

1998年。テンに似たサウンド。ギターはビニー・バーンズ。ドラムもテンのメンバー。ベースとキーボードはゲイリー・ヒューズが演奏している。

 
ONCE AND FUTURE KING PART1/GARY HUGHES

2003年。アーサー王物語を題材とする2部作の1枚目。マグナムのボブ・カトレイ、ダイアモンド・ヘッドのショーン・ハリス、ラナ・レーン、タイケットのダニー・ボーン、アルイエン・ルカッセン等が参加。アーサー王物語をロックでやるのは目新しさがなく、このアルバムも今これを行う意味があまり見いだせない。人選も根拠が不明。ゲイリー・ヒューズがボーカルをとらず、アーサー王を他人にやらせるというのもひとつの手だった。

 
ONCE AND FUTURE KING PART2/GARY HUGHES

2003年。2部作の2枚目。ロイヤル・ハント、サイレント・フォースのD.C.クーパー、ラナ・レーン、レインボーのドゥギー・ホワイト、マグナムのボブ・カトレイ、エデンブリッジのサビーネ・エデルスバッカー、ダイアモンド・ヘッドのショーン・ハリス、ハーレム・スキャーレムのハリー・ヘスが参加。前作から参加しているアーティストの役は変わっていない。D.C.クーパー、サビーネ・エデルスバッカーは他のボーカルを圧倒する。