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TAME IMPALA

1
INNERSPEAKER
2010年。1970年前後のサイケデリックロックを、2000年以降の技術で録音、編集し、エレクトロニクスとの境界をまだら模様にしている。サウンドの参照元、特にギターは70年代前半のハードロックの電気的歪みが大きい。「ザ・ボールド・アロウ・オブ・タイム」のギターサウンドは、わざわざそうしないと作れないような音になっており、クリーム、ブラック・サバス、マウンテン等の影響は明らかだ。
2
LONERISM
2012年。キーボード中心のサウンドになり、60年代風ギターが出てくるのは「アンドール・トワ」「エレファント」「マインド・ミスチフ」「キープ・オン・ライイング」くらいになっている。キーボードが中心になっても70年代前半風のサウンドは変わらず、ボーカルや各楽器の残響の大きさ、音のこもり方がその雰囲気を増幅している。当時のサイケデリックロック、プログレッシブロックほどの小難しさ、近寄りがたさはなく、ややポップなボーカルが親しみやすさを出している。ボーナストラックの「レッド・ツェッペリン」はレッド・ツェッペリンのメロディーを使っていない。日本盤は2013年発売。このアルバムで日本デビュー。
3
CURRENTS
2015年。音に濁りや歪みがなくなり、キーボードやドラムがキレよく、明瞭に響く。エレクトロニクスも使い、80、90年代のポップスのように制御されたシンセサイザー音で構成されるので、60、70年代のサイケデリックロックの雰囲気は薄くなっている。残響の多さは残されているが、それは中心人物のケヴィン・パーカーが子どものころに聞いていたポップスと、2000年代のドリームポップの両方が影響している。バンドサウンドとプログラミングによるエレクトロサウンド、サンプリングの音がほとんど区別できないくらいに混合しているが、そのようなアーティストが他にもあるにも関わらずテーム・インパラが注目されるのは、サイケデリックロックから出発しているという音楽的変動の象徴性、イギリスやアメリカではなくロックの先端地ではないオーストラリアの地方から出てきたという地理的広がりが認められるからだ。

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