1975年。邦題「恐るべき静寂」。キーボード、ギター2人の5人編成。ボーカル兼ギター、ベース兼ボーカルがベトナム生まれの兄弟。フランスのバンド。一般に「シスター・ジェーン」が名曲として有名。「黄金の草原」もすばらしい。「聖使の羽飾り」はPFMの「セレブレイション」のような位置づけか。「闇の彼方へ」の後半ではギターが泣きまくる。
1976年。1曲目前半のように、「疾走する哀しみ」あたりは昨今のヨーロピアン・メタルに通じる。後半は静と動のコントラストを見せる。「セント・ジョンズ・アベニュー」収録。
1979年。ベースとキーボードが交代。ベトナム系ミュージシャンはボーカル兼ギターだけになった。タイフォン史上最もジャジーな曲と最もポップな曲が入っている。ポップな曲は70年代中期のブリティッシュ・ニッチ・ポップの影響を受けているようだ。
2000年。ベースが脱退して、キーボードが交代、ボーカルが専任で新たに加入、4人になった。1曲目の「レイニー・ナイト・イン・サイゴン」はタイトルからしてベトナム出身ミュージシャンのオリジナリティを出しており、前作に続いて2部構成で児童合唱団を入れたりしてプログレ風味を残している。デビュー盤よりかなり取っつきやすい。タイフォンはファースト、セカンドから聞き始める人が多いので、ジャズ風になることはプログレから離れていくことと解釈しがちだが、曲のクオリティが落ちているわけではない。「シスター・ジェーン」のリメイク・バージョン収録。