SUGAR RAY

  • スクラッチを多用するハードコア寄りのロックから、アコースティックギターを多用するメロディアスなロックに変化したバンド。5人編成。アメリカ・カリフォルニア出身。
  • 「エヴリ・モーニング」「フライ」がヒット。代表作は「14分59秒」。

1
LEMONADE AND BROWNIES

1995年。ラウドロックをベースとし、スクラッチを大きく取り入れたオルタナティブ・ロック。ボーカルはメロディーを歌うよりもニューメタルのようにラップをすることが多い。ソウル風の「ホールド・ユア・アイズ」、ハードコア風の「ビッグ・ブラック・ウーマン」、70年代ソウルの「ダンヂグ・ニーズ・ハグ」「スカズブーツ」、その他多数の効果音を取り込んでいるため、暑苦しさや息苦しさのような近寄りがたさはない。フェイス・ノー・モアやプライマス、あるいはメロディック・パンクのような軽さがある。しかし、新しさはないだろう。

2
FLOORED

1997年。邦題「シュガー・レイのアメリカン・ドリーム'97~爆走街道まっしぐら、俺らに勝る敵はナシ!」。前作にも参加していたDJが加入し5人編成。前作のような雰囲気。メロディック・パンクとラウドロック時代のミクスチャー・ロック。緩い雰囲気の曲の1つに「フライ」があり、これがヒットした。アルバム全体からみれば、アルバムを象徴している曲ではないが、運良くヒットした。

3
14:59

1999年。邦題「14分59秒」。前作の「フライ」がヒットしたため、アコースティックギターを使った曲が大幅に増えた。ラップ調のボーカルもほとんどなくなり、メロディーを歌う。「エヴリ・モーニング」「ライヴ・アンド・ダイレクト」「サムデイ」「オード・トゥ・ザ・ロンリー・ハーテッド」はアコースティックギターによる曲。「ライヴ・アンド・ダイレクト」は「フライ」に近い。スクラッチはエレキギターの曲を中心に使われ、アコースティックギターの曲ではあまり使われない。「エイム・フォー・ミー」はメロディック・パンク。「アブラカダブラ」はスティーヴ・ミラー・バンドのカバー。アルバムの最初と最後にそれぞれ「ニュー・ディレクション」が入っており、最初はヘビーメタル、最後はポルカになっている。アルバムタイトルはアンディ・ウォーホルの「誰でも15分間有名になれる」という有名な言葉を意識しているという。アルバムの収録時間は約40分。

4
SUGAR RAY

2001年。ロックもアコースティック曲もポップで中庸になり、メロディーにもサウンドにも強い刺激を与えるものはない。これまでのサウンドとジャケットを考えると、清潔感のある良心的なイメージが、逆に意外性を大きくする。ただ、それを考慮したとしても、ロックとしておとなしい印象は否めない。

5
IN THE PURSUIT OF LEISURE

2003年。邦題「レジャーでGO!」。ストリングスを取り入れ、ドラムはプログラミングと融合したような音になっている。演奏の整合感はさらに進んでいる。曲のイメージとしてのリゾート感は高い。「イズ・シー・リアリー・ゴーイング・アウト・ウィズ・ヒム?」はフォー・シーズンズの「シェリー」を下敷きにしたビートだ。「ミスター・バーテンダー(イッツ・ソー・イージー)」のギターはスウィートの「愛が命」の有名フレーズをそのまま使用し、他の曲よりもロックの感覚が強い。「イン・スルー・ザ・ドギー・ドア」は「シュガー・レイのアメリカン・ドリーム'97~爆走街道まっしぐら、俺らに勝る敵はナシ!」以前の音の厚いエレキギターを使う。

THE BEST OF SUGAR RAY

2005年。ベスト盤。新曲3曲収録。

6
MUSIC FOR COUGARS

2009年。メロディアスなロックを基本とし、レゲエやアコースティック曲を差し挟むものの、「シュガー・レイ」以降はどこかで誰かがやっている音楽を再現するアルバムになっている。「シーズ・ゴット・ジ(ウー・フー)」は70年代ディスコ風ソウル。「ラヴ・イズ・ジ・アンサー」はウィーザーのリヴァース・クオモが作曲。日本盤は独自にオープニング曲を収録しており、最後の曲の「ガールズ・ワー・メイド・トゥ・ラヴ」に10-FEETのメンバーが日本語でボーカルを加えている。日本盤は2010年発売。