2007年。キーボードを含む5人編成。フィンランド出身。このアルバムが出たときに話題になったのは、サウンドではなくメンバーの若さだった。全員が1991-2年生まれで、アルバム発売当時15-6歳だった。サウンドは1980年代後半のハードロック。驚くような斬新さはないが、これを演奏しているのが15歳や16歳ならば、20代にはもっといい曲が作れるのではないかと思わせる。派手なギターソロやキーボードソロを聞かせるバンドではないようだ。10曲で39分。バンド名の「シュトゥルム・ウント・ドラング」は18世紀ドイツ文学史の一時代の名前で、感情の爆発、自然賛美、自己主張の賞賛を特徴とする。啓蒙主義、産業革命による科学、理性の優越が進んでいた18世紀においては、特異な文学思潮だった。ゲーテ(「若きウェルテルの悩み」)、シラー(「群盗」)が代表的。
2008年。オープニング曲はプリティ・メイズ、「ブレイク・アウェイ」はジューダス・プリーストを思い起こさせる。ボーカルの歌唱力が上がり、ロックバンドとしては申し分ない演奏をしているが、曲は前作と同じように一般的なハードロック、ヘビーメタルだ。メンバーはいまだ17歳くらいなので、若さが免罪符のようになっているが、次作もこの状態だと厳しい。
2012年。フィンランドのみの発売。