1984年。ジャーニーのボーカル、スティーヴ・ペリーのソロ作。ジャーニーのメンバーは参加せず、ロサンゼルスのスタジオミュージシャンによって録音されている。キーボードを含んだロックだが、ジャーニーよりもキーボード、ギターは少なく、スティーヴ・ペリーのボーカルを押し出す形となっている。曲はジャーニー並みにメロディアス。「アイ・ビリーヴ」はジャーニーでは使われないサックスが入っている。10曲全てがスティーヴ・ペリーと作曲家との共作で、7曲はランディ・グッドラムが関わっている。ジャーニーはこのころ、ジョナサン・ケインが加入して「フロンティアーズ」を出しており、バンドとしては絶頂期にあった。全米12位。「Oh、シェリー」は全米3位、「フーリッシュ・ハート」は18位、「シーズ・マイン」は21位、「ストラング・アウト」は40位。
1994年。邦題「ストレンジ・メディスン」。前作と同様、ジャーニーのメンバーは参加していない。サウンドも基本的に「ストリート・トーク」と同じだがミドルテンポが多い。バラード主体になるため、スティーヴ・ペリーのボーカルを強調することになる。「遥かなる時」収録。
1998年。邦題「グレイテスト・ヒッツ+5」。ジャーニー以外の曲を集めたベスト盤だが、未発表曲の方が多い。17曲のうち、最初の5曲は「ストリート・トーク」から、6曲目から12曲目までは1988年ごろに作曲したソロアルバム用の未発表曲、13、14曲目は「ストレンジ・メディスン」から、15曲目はアニメ映画用の曲、16曲目はガンのエイドリアン・ガーヴィッツ、ベイビーズのドラムのトニー・ブロックと共作したデモ曲で、ジャーニーの「レイズド・オン・レイディオ~時を駆けて」の「ガール・キャント・ヘルプ・イット」のメロディーが出てくる。17曲目はスティーヴ・ペリーがジャーニー加入前に在籍していたバンドの曲で、録音は1977年。
2018年。引退状態から復帰。バンドサウンドによるメロディアスなロックで、これまでのソロアルバムの延長線上にある。ほとんどの曲がミドルテンポ。高音域の滑らかさは年齢の衰えがある。ギターやキーボードは抑制されている。ジャーニーはギター、キーボードとボーカルのぶつかり合いがあって曲の質や緊張感が生まれていたことが分かる。24年ぶりに復帰してソロアルバムを出したこと自体が大きな価値だろう。「ウィアー・スティル・ヒア」はテンポを上げればジャーニー風。バンドは概ねメンバーが固まっている。ベースのネイサン・イースト、キーボードのランディ・グッドラム、ブッカー・T・ジョーンズはそれぞれ1曲だけ参加。
1991年。スティーヴ・ペリーの後任でジャーニーのボーカルとなったスティーヴ・オージェリーが在籍していたバンド。4人編成。スティーヴ・オージェリーはボーカル兼ギター。4人だけで再現可能なロック、ロックンロールで、キーボードが使われているのは10曲のうち3曲。80年代のハードロックやジャーニーのようなロックではなく、ロックンロールの力強さ、生々しさを出したサウンド。日本盤は2000年発売。
2009年。スティーヴ・オージェリーが復帰。スティーヴ・オージェリーは1998年から2006年までジャーニーに在籍していた。前作のロックンロール、ハードロック路線に合わせた歌い方。アコースティックギター、ドブロ、パーカッションも使う。近いボーカルはグレン・ヒューズか。
2002年。スティーヴ・ペリーがジャーニーに加入する直前に短期間在籍していたボーカルがロバート・フライシュマン。1979年にソロ作を出し、1986年にヴィニー・ヴィンセント・インヴェイジョンのデビュー盤でボーカルをとっている。キーボードを含むハードロック。ジャーニーより中音域が多いが、加齢による枯れたボーカルではない。ギターはザ・ストーム、トゥー・ファイアーズのジョシュ・ラモス、キーボードはチャド・スミス・ボンバスティック・ミートバッツ、インペリテリ、グレン・ヒューズのエド・ロス。プロデューサーはハリケーン、フォリナーのボーカルのケリー・ハンセン。