2010年。9曲入りEP盤。ポルタメントを多用し、音階の移動を大きくし、同じ音階でも打突でリズムをつけ、高揚感を煽るダンス音楽にしている。リズムはほぼロックのドラムを模した音で、演奏形態にこだわらなければロックと何ら変わらない。「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」は女性ボーカルが参加したメロディー中心の曲。「スキャッタ」はギャングスタ・ラップ以降のヒップホップ・ボーカルが入る。「ウィズ・ユー・フレンズ(ロング・ドライヴ)」は古風なシンセサイザーを使うバラード。最後の3曲はリミックス。
2012年。7曲入りEP盤。「ブレーキン・ア・スウェット」はドアーズのキーボード奏者レイ・マンザレクとギターのロビー・クリーガーが参加し、ジム・モリソンの声もサンプリングされている。「ライト・オン・タイム」はやや抑えめのメロディー。「キョウト」収録。
2014年。EP盤で広く支持を得た切れのあるハードなエレクトロ・ロックと異なるサウンド。11曲のうち9曲はゲストのボーカルが参加する。ドラムセットのようなバスドラムとスネアドラムを意識したロック寄りの曲は「オール・イズ・フェア・イン・ラヴ・アンド・ブロステップ」「トライ・イット・アウト」「ラガ・ボム」「イーズ・マイ・マインド」。「ストレンジャー」「ダーティー・ヴァイヴ」「ファック・ザット」は叩きつけるようなビートはあっても曲調はロックとは言えない。EP盤のようなロック風エレクトロ音楽が支持されたのは、ポピュラー音楽ファンの多数がロックに親近感を持っていて、新しいロックのありように高揚したからだろう。このアルバムは先進的なダンス音楽を提示しているかもしれないが、多数派たるロックファンには訴えにくい。