2001年。アイルランドの非大手レコード会社から出たデビュー盤。
2003年。
2004年。ライブ盤。
2007年。邦題「激情ギターラ!」。ロドリーゴ・イ・ガブリエーラは男女2人のアコースティック・ギター・デュオ。メキシコ出身。メロディー楽器としてのギター演奏もさることながら、ボディーを叩いてパーカッションとしても同時演奏し、スピード感を出すことに成功している。ギター以外の楽器は使用しておらず、ボーカルもない。一方がメロディーを弾いている間、もう一方はメロディーも弾けるしパーカッションも可能で、新しい可能性を開拓したと言える。フラメンコ・ギターでボディを叩くゴルペ奏法をアコースティック・ギターで再現し、さらに叩き方を多彩にしたと思われる。「サトリ」はフラワー・トラベリン・バンドのカバーではない。日本盤は2008年発売。
2008年。邦題「超絶テク~男女ギターデュオ登場!」。4曲入りミニアルバム。3曲はライブ。「タマクン」は「激情ギターラ!」収録曲。「エフ・オー・シー」ではメタリカの「エンター・サンドマン」、「ミスター・タング」ではホワイト・ストライプスの「セヴン・ネイション・アーミー」が挿入される。
2008年。邦題「激情セッション」。14曲で76分弱。「オライオン」「ワン」はメタリカのカバー、「天国への階段」はレッド・ツェッペリンのカバー、「テイク・ファイヴ」はデイブ・ブルーベック・カルテットのカバー。このほか「オープニング」ではメタリカの「エンター・サンドマン」、「エフ・オー・シー」ではメタリカの「エンター・サンドマン」、「ロドリーゴ・ソロ」ではホワイト・ストライプスの「セヴン・ネイション・アーミー」、メタリカの「マスター・オブ・パペッツ」を挿入している。代表曲の「タマクン」、最後の「ディアブロ・ロホ」は盛り上がる。
2009年。邦題「格闘弦」。11曲あり、それぞれに「~に捧げる」というコメントがついている。カルロス・サンタナやジミ・ヘンドリクス、ピンク・フロイドは広く知られているが、アストル・ピアソラ、アル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシアなどは一般の人にはなじみが薄い。ただ、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラのアルバムを聞くような人は、そこそこの予備知識があると思われる。全曲がインストなので、こうしたコメントをつけていると聞き手が曲のイメージを持ちやすい。表だって「聞き手に配慮した」とは主張していないが、アイデアとしてはうまい。「アトマン」ではアメリカのヘビーメタル・バンド、テスタメントのアレックス・スコルニックがエレキ・ギターで参加している。「イレヴン・イレヴン」はゲスト・ミュージシャンによるピアノが入る。このほか、曲によってはカホン、ウクレレが使われる。
2012年。パーカッション、ホーンセクション、ストリングスを含むキューバのグループ「キューバ」と協演。9曲全てが「激情ギターラ!」と「格闘弦」の再録音となっている。ロドリーゴとガブリエーラに加え、ピアノとディレクターのアレックス・ウィルソンがキューバとは独立して表記されているので、アレックス・ウィルソンがサウンドの主導権を取ったと言える。ロドリーゴはエレキギターも使う。キューバと協演するまでもなく、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラがバンドを結成すればこんな音になるであろうというサウンドになっている。電子音やシンセサイザーは全く使われていない。「タクマン」は編成が変わってもいい曲だ。
2014年。9曲がそれぞれ8人の著名人と「動物と自然」賞賛する曲となっている。ドストエフスキー、ヴィクトール・フランクルは世界的に有名。タブマン、ナンセンは社会の上位層には有名、他の4人は限定的。ロドリーゴ・イ・ガブリエーラはメキシコ出身なので中南米の著名人も複数ある。フランクルやタブマンは平和主義、平等主義的価値観を推進した人物として納得できる。無数の文学者の中からドストエフスキーを選んでいるのは21世紀の価値観を反映している。特定の理想を追求する20世紀型の価値観とは異なり、ドストエフスキーは小説の登場人物それぞれの価値観を尊重し、これが21世紀の文化相対主義的な考え方と一致しているからだ。