2000年。インペリテリのボーカル、ロブ・ロックのソロ・アルバム。ギターはトライブ・オブ・ジプシーズのロイ・Z。ギターとボーカルが中心のハードロック。「イーグル」はアバのカバーで、それ以外はすべてロブ・ロックとロイ・Zの共作。インペリテリほどギターは活躍しないが、サウンドの中心はあくまでもギターだ。ヘビーメタルに近いハードロック。キーボードはほとんど使われない。バッドランズのジェイク・E・リーが3曲で参加。日本盤ボーナストラックの「ビューティフル・レディ」はいわゆるアンプラグドのギターで演奏される。インペリテリのメンバーとは異なるが、作曲しているのはロブ・ロックなので、インペリテリに近いところもある。
2003年。ほぼ固定されたメンバーで演奏。キーボードが若干増えた。ギターは高速で演奏されることが多い。コーラスもインペリテリ並みになってきた。ヘビーメタルのアルバムとして質が高い。「コンクラーズ・ハイム」は同時代的なギターで始まりながらすばらしい展開にもっていく。最後の「アワー・オブ・ドーン」は12分。後半はゲスト・ミュージシャンのキーボード・ソロ、ギター・ソロが16人続く。
2005年。これまでで最もハードで、ヘビーメタルとしても高水準。特に前半は勢いがある。ドラムがライオット、ハルフォードのボビー・ジャーゾンベックになったのが大きい。実質的はキーボード、ギター2人の6人編成のバンドで録音している。ギターはロイ・Zとナーニアのカーロハン・グリマック。アルバムタイトル曲はすばらしい。「ムーヴ・オン」はアバのカバー。エドガイのボーカル、トビアス・サメットが参加している。ジャケットも含めて最高傑作。
2007年。プロデューサーがカーロハン・グリマックになり、ロイ・Zとロブ・ロックが協力する形になっている。ロブ・ロックを含む4人がバンドを編成して録音し、ロイ・Zが作曲とギターで深く関わる。11曲中4曲はロイ・Z以外のアーティストと共作。前作よりはやや落ち着いたサウンドになった。ボビー・ジャーゾンベックの演奏は2曲で、前作のような密度の大きい演奏ではない。「ミレニアム・レイン」はハード。前作のあとに聞けばやや地味に感じるが、平均以上の質であることには変わりない。