2009年。5曲収録のデビューEPにシングル盤の2曲と未発表曲の2曲を追加し、9曲収録したEP盤。マイ・ブラディ・バレンタインの「愛なき世界」を思わせる典型的シューゲイザーのサウンド。男性と女性のボーカルの歌い方も似ている。歌詞が未熟で、ほとんどの曲が「僕と君」の世界で完結し、異なる曲で同一の単語も使い回している。
2011年。ギターが抜け3人編成。EP盤からサウンドの幅は広がり、リズム楽器が明確になった。ギターはエフェクターとともに、異なる様々な音を重ねる。2010年代らしく、エレクトロニクスやプログラミングも使う。90年代の陰鬱さを伴っていたマイ・ブラディ・バレンタインに比べれば、曲調は80年代の明るさを持っていたジーザス・アンド・メリー・チェインに近いかもしれない。女性ボーカルの存在はマイ・ブラディ・バレンタインの連想を強く促す。
2011年。EP盤。未発表曲3曲、カバー1曲、日本盤のボーナストラックとしてカバー1曲、未発表曲2曲、リミックス2曲の計9曲を収録。「ディア・フューチャー」は女性ボーカルによる日本語のカバー。
2012年。タワーレコード限定のシングル盤。「シーン」はアルバム未収録曲。「ソー・ハイ」「シャドウ」のリミックスを収録。
2012年。シューゲイザー風の曲と、ギターの音を重ねない荒削りのロックと、サイケデリック風の曲が混在し、徐々にシューゲイザーから離れていっている。それは経年による多様性の獲得なので、否定的評価にはならない。「バーン」「ドレイン」「スラック」はたたみかけるようにスピーディーな曲を並べている。後半は90年代のサイケデリックロックの上にヴェルヴェット・アンダーグラウンドが乗っているような曲が増える。
2013年。ボーナストラックを含め9曲収録の企画盤。全曲がアルバム未収録曲で、リミックスやバージョン違いはない。「フラワー・パワー」は60年代のフラワー・ムーブメントとは関係なさそうだ。ハードな部分とキーボードを主体とする部分の3部j構成となっている。「ロマンティック・コメディ」はハードな曲。「チェーンソー・モーニング」収録。日本のみの発売。
2015年。ギターで厚みを持たせる典型的なシューゲイザーのサウンドは少なくなった。ギターの共鳴やキーボードの残響の長さが、シューゲイザーのバンドというイメージに引っ張られてシューゲイザーのように聞こえることがないわけではない。このアルバムがこのバンドのデビュー盤なら、シューゲイザーの影響を受けたサイケデリックのバンドという解釈になるだろう。「ヘヴィー・メタル・スーサイド」は一般的なオルタナティブ・ロック。「ステア・アット・ザ・サン」「ボーイズ・イン・ヒート」は従来のサウンド。