1983年。自主制作の6曲入りミニ・アルバム。オープニング曲の「スイート・チーター」はハードでスピーディー。全米133位。
1984年。邦題「情欲の炎」。サウンドは奇抜だったりハードだったりするわけではない、メロディアスなロックン・ロール。ファッションが派手なわりには健康的とも言える整合感がある。「ラウンド・アンド・ラウンド」は代表曲。「バック・フォー・モア」は「ラット」に収録されているバージョンとは違う。全米7位、300万枚。
1985年。ヘビーメタル・ハードロックはかっこいいが、ジューダス・プリーストやアイアン・メイデンぐらいまじめにやるほどでもない、というロックファンは多かったはずで、そうしたファンをとらえるアメリカのバンドがいなかったというタイミングのよさがあった。モトリー・クルーのように、開き直っているのか素面なのか分からないような不良っぽさがあまり感じられないところも好感を持たれたかもしれない。「レイ・イット・ダウン」収録。全米7位、200万枚。
1986年。デビュー以来ほとんど変わらないサウンド。「ボディ・トーク」収録。全米26位。
1988年。サウンドのバリエーションが広がり、曲もポップなメロディーが増えた。「ウェイ・クール・JR.」にはホーン・セクションも入っている。「チェイン・リアクション」は久しぶりにハードな曲。「アイ・ウォント・ア・ウーマン」や「ホワッツ・イット・ゴナ・ビー」もヒット性のあるメロディー。エアロスミスやボン・ジョヴィのような大物アーティストの雰囲気がある。全米17位。
1990年。全曲にデスモンド・チャイルドがかかわっている。「ワン・ステップ・アウェイ」や「キャント・ウェイト・オン・ラブ」「ギヴィン・ユアセルフ・アウェイ」にはデスモンド・チャイルドのポップなメロディーが全開で、これまでのラットのメロディーからは出てこないような曲。ジョン・ボン・ジョヴィがコーラスで参加。全米23位。
1991年。ベスト盤。全米57位。
1997年。初期の曲の再録音等による企画盤。ボーカルのスティーブン・パーシーとギターのウォーレン・デ・マルティーニとロビン・クロスビーが中心。サウンドはシンプル。
1999年。再結成。ギターのロビン・クロスビーが抜け4人編成。デビュー当時や「リーチ・フォー・ザ・スカイ」「ディトネイター」のころのようなサウンドではなく、個性が薄くなった。デビュー当時は、若いゆえに曲のバリエーションが少ないことが逆によかったのかもしれない。全米169位。