RA RA RIOT

  • アメリカ、ニューヨーク出身のバンド。ボーカル兼キーボード、ギター、ベース、バイオリン、チェロの5人編成。バイオリンとチェロは女性。
  • シラキュース大学の学生が結成しているため、ロックの豪快さやサウンドの先鋭さよりもポップで古典的なサウンドを志向している。
  • ドラムもいたが、アルバムデビュー前に死去し、その後ドラムを加えずに活動している。

RA RA RIOT

2007年。EP盤。 

1
THE RHUMB LINE

2008年。ボーカル兼キーボード、ギター、ベースの男性とバイオリン、チェロの女性による5人編成。ドラムはゲスト参加。ヴァンパイア・ウィークエンドやダーティー・プロジェクターズのようなメロディーが聞かれる。弦楽器はビオラではなくチェロが使われているので高音と低音で役割分担されている。コーラスは少ないが女性2人が付け足し程度に歌っている。「トゥー・トゥー・トゥー・ファスト」は80年代のようなキーボード。10曲で38分弱。

LP/DISCOVERY

2009年。ラ・ラ・ライオットのボーカル兼キーボードとヴァンパイア・ウィークエンドのキーボードによるプロジェクト。ほとんどの音をシンセサイザー、サンプリング、エレクトロニクスによって構成し、持続音よりも減衰音と短音を多用する。全曲にボーカルがあり、メロディーはラ・ラ・ライオットに近い。ボーカルもサンプリング対象になり、加工もされているが、一部なのでポップさは失われない。シンセサイザー、サンプリング、エレクトロニクスだけでどこまでできるかを試した習作。「大阪・ループ・ライン」は大阪環状線を歌っている。

2
THE ORCHARD

2010年。オープニング曲がアルバムタイトル曲になっているが、ギター、ドラムを使わず、弦楽器とベースが中心の室内楽のような曲。2、3曲目は勢いがあり、2曲目からがロックバンドとしての実際の姿になるだろう。ニューヨークの中産階級の子どもがバンドを結成したときの、中庸なサウンドを維持しながら曲の多様性を広げている。「カンサイ」は日本の関西を思わせる歌詞は出てこない。「ユー・アンド・アイ・ノウ」は女性がボーカルを取る。

3
BETA LOVE

2013年。チェロ奏者が抜け4人編成。エレクトロニクスによるビートを若干使いながら、バイオリンとチェロ、キーボードで空間の多いサウンドを構築する。ボーカルの声は若く、適度なポップ感と軽さを強調している。11曲で30分。前作の「カンサイ」に続き、ボーナストラックで「キヨミズ」を収録している。

4
NEED YOUR LIGHT

2016年。ドラムが加入し5人編成。チェロ奏者は10曲のうち7曲に参加している。シンセサイザー、サンプリングを基本とするポップな曲だが、あくまでも歌のメロディーを聞かせようとしている。シンセサイザー中心の曲はリズムもサンプリングになり、バンドサウンドのときはドラムの音になっている。バイオリン、チェロが出てくる時は弦楽器の音響が活かされるようにシンセサイザーが抑制される。バラードはなく、全体的に快活だ。「バウンシー・キャッスル」はコーラス重視の曲か。「ウォーター」「アイ・ニード・ユア・ライト」はヴァンパイア・ウィークエンドのキーボード、ロスタム・バトマングリと共作している。