1998年。モンスター・マグネット、フー・マンチュー、オレンジ・ゴブリンなどとともに、乾いた空気と金属的な酩酊気分をロックで示したストーナー・ロックのバンド。ギターが70年代のブラック・サバス風、エコーのかかり方はホークウィンド風。重要なのはジョシュ・オムのボーカルで、90年代の脱力的な歌い方であることだ。80年代、90年代のハードロック、ヘビーメタル、ヘビーロックの豪快さ、技巧さを主流と捉え、グランジやオルタナティブロックと同じようにそれを否定する。日本盤は2010年発売。
2000年。邦題「R指定」。ボーカル兼ギターのジョシュ・オムとベース兼ボーカルのニック・オリヴェリが中心となり、概ねギター、ベース、ドラム、キーボードの組み合わせで録音している。ボーカルは2人の違いが明確だ。前作ほど麻薬のイメージはない。ジョシュ・オムのボーカルはグランジ、オルタナティブロックを通過した力まない歌い方で、メロディーをうまく捉えている。
2002年。ストーナー・ロックのサウンドを使いながら、ロックンロール、ヘビーロックの曲をやっている。曲間にラジオのDJを入れて、ラジオでクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの曲がかかるという設定になっている。2000年代なので80年代のようにラジオを肯定することはなく、批判的な目を持ってDJを使っている。曲もいいので、アルバム全体を統一したアイデアでまとめたという点で評価は高くなるだろう。ラジオのDJを使うこと自体はカーペンターズの「ナウ・アンド・ゼン」などですでになじみのある手法だ。ドラムはフー・ファイターズのデイヴ・グロールが演奏している。代表作。
2005年。ベース兼ボーカルが抜け3人編成。前作から続くロックンロールのサウンドで、ストーナー・ロックというイメージはほとんどない。少ない楽器で完結したロックに、ジョシュ・オムの安定した力強くないボーカルが乗る。ロックンロールは「メディケイション」のような前のめりの勢いと、「バーン・ザ・ウィッチ」「サムワンズ・イン・ザ・ウルフ」のような、。「タングルド・アップ・イン・ブレンド」「アイ・ネヴァー・ケイム」などはグランジ、オルタナティブ・ロックを通過した諦観を含むロック。曲としてはこのアルバムが最高作だろう。
2007年。前作よりも曲の角が立っており、ゴリゴリしたサウンドとなっている。しかしヘビーロック、ヘビーメタルの過剰さ、単純さとは異なる雰囲気があり、ジョシュ・オムのボーカルによるところが大きい。「シック・シック・シック」はザ・ストロークスのジュリアン・カサブランカスがギターで参加、ボーナストラックの「エラ・ヴルガリス」はナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーが参加している。
2013年。ドラムが抜けキーボードが加入、4人編成。メンバー全員がギターとキーボードを演奏しており、キーボードが使われる曲も半数を超えるが、サウンドの基本はギターとなっている。「ララバイズ・トゥ・パラライズ」に若干のキーボード、シンセサイザー、ピアノを加えたようなサウンド。ロックにハードさや情緒的なメロディーを求める人よりも、明快な方向性にこだわらない人の方が評価が高いのではないか。10曲のうち5曲はフー・ファイターズのデイヴ・グロール、4曲を前任者、1曲をザ・マーズ・ヴォルタのジョン・セオドアが演奏している。「フェアウェザー・フレンズ」はエルトン・ジョンがピアノを弾いている。