1992年。MC、ダンサー2人、キーボードの4人編成。イギリス出身。キーボードのリアム・ハウレットが中心。スピーディーなビートと曲展開で高揚感を増幅していく。リズムの密度が高く、「ファイア」はアーサー・ブラウンの「ファイア」をサンプリング。
1994年。前作のサウンドにラウド・ロックの要素が加わり、インダストリアル・ロックとの差が少なくなってきた。前作はジャンルで言えばテクノだったが、このアルバムはロックとテクノ、どちらともとれる。
1996年。シングル盤。4曲のうち3曲は「ファイアスターター」で、それぞれバージョンが違う。「モロトフ・ビッチ」はアルバム未収録だが、ベスト盤には収録。
1997年。ボーカルを増やした結果、サウンドがヒップ・ホップにも近づき、世界的なヒップ・ホップのブームに乗ってヒット。テクノ、クラブ・ミュージックでは世界一売れたアルバムとなった。ロックの視点からでも、ミクスチャー・ロックのブームに乗っており、テクノとロックのファンの重なりをさらに厚くしている。スカンク・アナンシー、アート・オブ・ノイズ等をサンプリング。
2004年。再びロック寄りになり、「ミュージック・フォー・ザ・ジルテッド・ジェネレーション」よりもラウド・ロックに近い。サンプリングしている曲も有名で、「ホット・ライド」はフィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ」、「フェニックス」はショッキング・ブルーの「ラブ・バズ」、「シュート・ダウン」はサジタリアスの「マイ・ワールド・フェル・ダウン」を引用している。いずれも60年代後半から70年代初頭のヒット曲。ジュリエット・ルイス&ザ・リックスのジュリエット・ルイス、オアシスのノエル・ギャラガー、リアム・ギャラガーが参加。
2005年。邦題「グレイテスト・ヒッツ1990-2005」。ベスト盤。初回限定盤はCD2枚、DVD1枚の3枚組。通常盤はCD1枚で、全曲が既に発表された曲で構成される。初回限定盤の2枚目の1曲目と2曲目が新曲。このほか、リミックス、シングルのB面、ライブで計16曲収録。
2009年。オープニング曲からハードなロックサウンドで、メロディーも覚えやすい。「インヴェイダーズ・マスト・ダイ」「オーメン」「カラーズ」「ラン・ウィズ・ザ・ウルフス」「ピラニア」はバンドサウンドをエレクトロ・サウンドに置き換えたような曲。クラブ・ミュージックとしては男性的力強さに大きく振れており、叩きつけるようなビート、ディストーションがかかったギター、ベースを快感と感じるのは圧倒的に男性が多いかもしれない。
2009年。シングル盤。「オーメン」の3曲はいずれもアルバムとはバージョンが異なる。
2009年。シングル盤。アルバム・バージョンを含め5つのバージョンを収録している。
2015年。金属的で鋭角的なエレクトロ・ロック。エレクトロニクスの人工的な音に慣れた90年代以降の音楽ファンであれば、ハードなロックの参照元のひとつがプロディジーになっているだろうが、そのイメージに沿ったようなサウンドとなっている。攻撃的であってもメロディーは覚えやすい。「ナスティ」「レベル・レイディオ」「イビザ」「ロックワイアー」「ゲット・ユア・ファイト・オン」はいい曲だ。