1978年。ロック、フュージョン、70年代ソウルにアース・ウィンド&ファイアのようなファンクがまぶされたような、都会的サウンド。プリンスの声は高めで、フィラデルフィア・ソウル風のコーラスが加わる。ベース、ドラム、シンセサイザーを含む全ての楽器をプリンスが一人で演奏しており、デビュー当初から高度な作曲、編曲能力を持っていたことが分かる。シンセサイザーは機種が書かれており、ムーグ、アープのほか、オーバーハイムなど70年代前半の有名機種が使われている。最後の「アイム・ユアーズ」はエレキギターが効いたハードなロック。日本盤は1979年発売。全米163位。
1979年。邦題「愛のペガサス」。ファンク、ディスコの雰囲気を曲調の面で強くした曲と、男女親和的に精神面で強化したような曲で占められる。アルバム全体に「愛」が感じられるのは、邦題が「愛のペガサス」だからというだけではないだろう。「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」はプリンスの最初にヒット曲となった。「バンビ」はロック。「セクシー・ダンサー」はディスコ。日本ではこのアルバムでデビュー。全米22位。
1980年。ダンス音楽としてリズムを一定に保ちながら、その上でシンセサイザーやギターが動く。ギターとボーカルは控えめに出てくる。ファンクというよりはニューウェーブに近く、どちらともとれる柔軟性がある。デモテープをアルバムにしたとされており、演奏はシンセサイザー中心でギターもシンプルになっている。きちんと編曲されずに唐突に終わる曲が多いのも、デモテープらしさをうかがわせる。シンセサイザーの多用が結果的に80年代の雰囲気を先取している。「アップタウン」はジェンダー、人種、社会の少数派を男女の会話に織り込んだ重要曲。ジャケットはアフリカ系男性が性的イメージをもって露出するという挑発であり、社会規範への挑戦となっている。このアルバムから、プリンスは文化的意味を分析されるアーティストになった。8曲で30分。全米45位。
1981年。邦題「戦慄の貴公子」。バンド編成で録音。前作よりも音の強弱が大きくなり、奥行きも大きい。プリンス以外のメンバーが多数参加していることでサウンドにも活気がある。ギターもロック志向になった。アルバムタイトル曲は前作の「アップタウン」を発展させたような曲で、人種、宗教の対立をプリンス自身が乗り越えようとしている。8曲で37分。「セクシュアリティ」収録。全米21位。
1982年。2枚組で発売され、11曲のうち5分以下が2曲しかない大作志向のアルバム。曲の平均時間が2分も長くなり、編曲能力が上がったと言える。8分や9分の曲であってもリズムは保たれ、ダンスできることを重視したロック、ファンクとなっている。シンセサイザーがポピュラー音楽の主要楽器になった時期と重なり、シンセサイザー中心のファンクが新しい音として認識された。「リトル・レッド・コルヴェット」「デリリアス」収録。全米9位。
1984年。映画のサウンドトラックとして作られたアルバム。アーティスト名は「プリンス&ザ・レヴォリューション」となっている。プリンスが主演する映画で、サウンドトラックもプリンスが担当しているため、実質的にプリンスのアルバムとされている。プリンスのアルバムでは最もポップなロックで、曲の質も高い。ロックのリズム、ギターにシンセサイザーが加わったような、ハードロックとシンセサイザー・ポップの間を行くサウンド。「ビートに抱かれて」はベースのない斬新な曲。「レッツ・ゴー・クレイジー」「パープル・レイン」はヒットし、「ビートに抱かれて」は1984年に最もヒットした曲となった。前作と違い、8分のアルバムタイトル曲以外は3分台から5分台にまとめられ、ファンクによくある長い演奏をなくしたのもよかった。マイケル・ジャクソンの「スリラー」が大ヒットしている最中のヒット曲連発は驚異的だ。「テイク・ミー・ウィズ・ユー」「ダイ・フォー・ユー」収録。全米1位。
1985年。「ラズベリー・ベレー」のようなポップな曲もあるが、変化を持たせた曲も多い。抑えめのファンク、ソウルのサウンドが、前作のポップなサウンドよりも強く出ている。ギターやシンセサイザーが前作ほど音階を移動せず、ボーカルの抑揚も抑えられているため、全体的にポップさ、華やかさが少なくなっている。前作のヒットにより創作の自由度が大きく広がったため、ポップさや聞きやすさを意識せずに作曲したのかもしれない。「コンディション・オブ・ザ・ハート」はピアノが主導するソウル風バラード。全米1位。
1986年。映画のサウンドトラック。ほどよくポップであり、やや郷愁を誘うサウンド。サウンドトラックなので曲の歌詞が独立せずに関連しており、アルバム全体に統一感がある。日本での評価が高い。映画自体はヒットしなかった。全米3位。「KISS」は全米1位。
1987年。2枚組、16曲で80分。シンセサイザーを多用したポップスとしてとても質が高く、これまでのアルバムを最もバランスよくポップ化したようなサウンドだ。曲によってホーンセクションや「ハウスクウェイク」はプリンスとしては初めての本格的なヒップホップ。「ビューティフル・ナイト」はライブのようなファンク。「プレイス・オブ・ユア・マン」はヒット性が高い。「イット」はオーケストラ・ヒットが出てくることから、フェアライトのCMIを使用か。全米6位。
1988年。オープニング曲とその次の曲、アルバムタイトル曲などが打楽器、管楽器を使う陽気なファンクのため、全体的に明るく快活だ。「グラム・スラム」は弦楽器のシンセサイザーを多用するポップな曲。「ダンス・オン」はダンス音楽でありながらドラムは技巧的だ。このアルバムは性的好奇心を起こすジャケットが音楽自体よりも先に言及されることが多いが、音楽は「サイン・オブ・ザ・タイムズ」に並ぶ優れた曲が多い。全米11位。CDでは9曲45分が1曲としてつながっているものと9曲に分割されているものがある。
1989年。映画のサウンドトラック。「アームズ・オブ・オライオン」はシーナ・イーストンとデュエットし、それ以外の曲はすべてプリンスが演奏している。プリンス以外の声はサンプリングによる。プリンスのサウンドとしては使われている楽器の数が少なく、シンプルな演奏だ。「バットダンス」収録。全米1位。
1990年。「バットマン」収録の「スキャンダラス」を5曲、30分にした組曲。5曲目は「LOVESEXY」収録の「ホエン・トゥー・アー・イン・ラヴ」。日本盤は「パーティーマン」のリミックス等を4曲追加し、9曲の独自仕様で発売している。
1990年。映画のサウンドトラック。「バットマン」よりも多彩で、ゲスト参加のアーティストも多い。「クウェスチョン・オブ・ユー」「ジョイ・イン・レペテイション」などはギターをハードに弾いている。ヒップホップの影響が明確に出ており、「リリース・イット」はラン・DMC、「シェイク」はビースティー・ボーイズのような曲だ。「ティック、ティック、バング」はパブリック・エナミーのようなざらつきのある音になっており、同時代の先進的なサウンドと同時進行している。「リリース・イット」「レイテスト・ファッション」はユーリズミックスのキャンディ・ダルファー、「ウィ・キャン・ファンク」はジョージ・クリントン、「メロディ・クール」「グラフィティ・ブリッジ」はステイプル・シンガーズのメイヴィス・ステイプルが参加している。17曲で68分。全米6位。
1991年。「シーヴス・イン・ザ・テンプル」のシングル盤、「ニュー・パワー・ジェネレーション」のシングル盤に収録されているほとんどの曲を1枚にまとめた日本独自のミニアルバム。ハウス、ヒップホップ調の曲が多い。
1991年。8人編成のバンド、ザ・ニュー・パワー・ジェネレーションとともに録音。8人はギター、ベース、ドラム、キーボード、ラップ、パーカッション2人、女性ボーカル。アルバムの中央にヒップホップ調の曲を挟み、全体としてロック、ファンクとなっている。バンドサウンドとしてリズムや楽器の使い方が分かりやすく、これまで以上にメロディーが追いやすい。サウンド上の革新性は薄れてきた。80年代前半にはシンセサイザーを多用することで先進性を保っていたが、90年代に入ってヒップホップが主流になってきてもそのようなサウンドを全面的には取り入れなかったため、結果的に後退してしまっている。「ゲット・オフ」「クリーム」収録。全米3位。
1991年。「ゲット・オフ」「クリーム」のリミックス等を12曲収録したEP盤。
1992年。タイトルは記号となり、一般的に「ラヴ・シンボル」と表記されている。アルバム全体が物語を形成し、オープニング曲は「マイ・ネーム・イズ・プリンス」で、ヒップホップのような自己主張の曲だがプリンスはラップでは歌わず、曲の後半でニュー・パワー・ジェネレーションのメンバーがラップを入れている。「ブルー・ライト」はレゲエ。曲はポップなロック、ファンクでありながら、随所にヒップホップの要素を差し込んでいる。「アロガンス」はやや時代遅れか。「7」はゴスペル。「スリー・チェインズ・オブ・ゴールド」はプリンスで最もクイーン風のドラマチックな曲。16曲で75分。全米5位。
1993年。ベスト盤。「スピリチュアル」がテーマだという。「ナッシング・コンペアーズ・トゥ・ユー(愛の哀しみ)」はライブで収録。新曲の「ピンク・カシミア」はストリングスをシンセサイザーで代用したミドルテンポのソウル。全米46位。
1993年。ベスト盤。テーマは「セクシャリティ」だという。新曲の「ピーチ」はロック、「ホープ」はヒップホップ。全米54位。
1993年。「ザ・ヒッツ1」と「ザ・ヒッツ2」にシングル盤のB面の曲を追加した3枚組。「パワー・ファンタスティック」は新曲。全米19位。
1994年。EP盤。「ザ・モスト・ビューティフル・ガール・イン・ザ・ワールド」と、そのバージョン違いを6曲収録している。日本盤はバージョン違いをさらに2曲追加している。曲によってはほとんど全体を新たに録音している。
1994年。プリンス名義での最後として出されたアルバム。前年に記号に改名すると宣言している。ベースの音が低くなり、ビートが目立つ。ギターのプリンスがその時代の音に合わせるようになった。時代を反映した音ともいえる。オープニング曲は11分ある。「レットイットゴー」収録。全米15位。
1994年。1987年に録音され、発売されなかったアルバム。ビートが効いたファンクが中心。アップテンポの曲が多く、「COME」との雰囲気の違いが大きい。87年当時先進的な音楽だったヒップホップを大きく取り入れている。「ボブ・ジョージ」はヒップホップのサウンドのみではなく、挑発的で自己顕示的な歌詞も合わせている。全米47位。
1995年。プリンスのヒット曲22曲を11分にまとめたメドレー。
1995年。18曲あり、曲間の曲が6曲あるので実質12曲となる。リズムマシンを使うヒップホップ調の曲と、80年代を思わせるロック、オルナタティブ・ロックが混在する。記号に改名してから最初のアルバムで、前作の「カム」からは大きくあか抜けた。「エンドルフィンマシン」はこの時期のプリンスにしては珍しいバンドサウンドのロック。「ザ・モスト・ビューティフル・ガール・イン・ザ・ワールド’95」「アイ・ヘイト・ユー」は70年代ソウルのような曲。先進志向を持ったサウンドではなくなっている。全米6位。
1996年。映画のサウンドトラック。13曲はすべてプリンスとその関連グループの曲で、3曲は新曲。ジャケットの印象とは違い、3曲ともポップではつらつとした曲ではない。「シー・スポーク・トゥ・ミー」は次の「ピンク・カシミア」に合わせたようなジャズ風ファンク。「スクリーム・オブ・パッション」はザ・ファミリー、「ナスティ・ガール」はヴァニティ6の曲。
1996年。プリンスのアルバムでは最もロックンロール寄りのサウンド。これまでのアルバムがファンク、ヒップホップ、ハウス等の傾向だったため、ギターが活躍するロックは爽快に聞こえる。ほとんどの曲がバンド編成で録音され、女性ボーカルやホーンセクションも使われる。日本盤によると2日で録音されたという。1曲平均が4分以下となり、編曲、編集にあまり時間をかけなかったとみられる。メロディー楽器はエレキギター、オルガンが中心。全米26位。
1996年。3枚組、36曲で180分。「イマンシペイション」とは「解放」。3枚ともちょうど60分の収録となっている。方向性を持ったサウンドの曲を1枚に絞った方がよかったのではないか。1枚ならばかなり質の高いアルバムになる。プリンスは多作であるが、発表する曲の全てが出来のいい曲というわけではない。この時期、プリンスはレコード会社と対立していたが、唯一性を追求するアーティストと、大衆に広く安く娯楽を提供するレコード会社では、少なからず対立と協力があるのは当然で、一方的な態度を貫くのも度を超せば見苦しい。アーティストが作品を発表する自由度は、高ければいいということではないことをこのアルバムが(皮肉にも)示している。「ホーリー・リヴァー」は80年代風バラードのすばらしい曲。デビュー以来初めてカバー曲を入れ、スタイリスティックスの「ゴーリー・ワウ」、ボニー・レイットの「夕映えの恋人たち」、デルフォニクスの「ララは愛の言葉」、ジョーン・オズボーンの「ワン・オブ・アス」を取り上げている。全米11位。
1998年。未発表曲の3枚とアコースティック作品を合わせた4枚組。未発表曲は10分の「クリスタル・ボール」、15分の「クロリーン・ベーコン・スキン」、9分のライブ「デイズ・オブ・ザ・ワイルド」が聞きどころか。「エイティーン・アンド・オーヴァー」は「カム」のリミックスか。アコースティック作品の「ザ・トゥルース」はギター、ベース、キーボードを中心とする演奏。パーカッションも使う。曲によってはファンク。全米62位。
1998年。ニュー・パワー・ジェネレーションのアルバムとして出たが、プリンスのアルバムとして認識されることが多い。プリンスと女性ボーカルを含む6人編成。ロック、ファンク、ソウルのサウンドで、ホーンセクションも使う。バンド編成で録音しているので曲が弾んでいる。「アンティル・ユア・イン・マイ・アームス・アゲイン」はソウルのバラード。日本盤は2000年発売。
1999年。1985年から94年までの未発表曲集。全米85位。
1999年。久しぶりにポップでヒットしやすそうな曲が並んだ。ゲスト参加が多く、そのゲストも豪華だ。リズムを主体としたポップさなのでメロディーが明るいというようなポップさではないが、ヒップホップ・ソウルに近い聴きやすさがある。グウェン・ステファニーが参加した「ソー・ファー、ソー・プリーズド」、シェリル・クロウが参加した「ベイビー・ノウズ」、「エヴリディ・イズ・ア・ワインディング・ロード」、「ホウェアエヴァー・ユー・ゴー、ホワットエヴァー・ユー・ドゥ」は一般のロック、ポップス並にポップだ。「アンディスピューテッド」はパブリック・エナミーのチャック・D、「アイ・ラヴ・ユー・バット・アイ・ドント・トラスト・ユー・エニイモア」はアーニー・ディフランコが参加している。「エヴリディ・イズ・ア・ワインディング・ロード」はシェリル・クロウが作曲に参加している。「マノウォー」はヘビーメタルと関係ない。全米18位。
2001年。アルバム全体が物語になっており、デビュー以来のプリンスのメッセージが展開されている。「ファミリー・ネーム」はそのメッセージが分かりやすい。プリンスがジャズバンドに参加しているようなサウンドで、エレクトロニクスによるリズムよりもジャズドラムによるリズムが多い。キリスト教に関係するような宗教的な歌詞がほとんどで、預言者のような語りが低い声で入っている曲が複数ある。「ザ・ワーク・パート1」はドゥービー・ブラザーズの「ロング・トレイン・ランニン」をファンク風にしたような曲。「エヴリホエア」は女性ボーカルとゴスペルコーラスがつく。オープニング曲がアルバムタイトル曲となっており、10分を超える。2分から5分の曲が続いた後、最後に8分の曲が3曲続く。最後の「ラスト・ディッセンバー」はいい曲。このアルバムから再びプリンスの名義になった。全米109位。
2002年。ライブ盤。3枚組。
2003年。「ノース」「イースト」「ウエスト」「サウス」の4曲が14分ちょうどで並んでいる。4曲ともインスト曲。プリンスと、ベース、ドラム、キーボード、サックスの5人で録音されている。前作は歌詞が異色だったが、今回は曲の体裁が異色と言える。実際は14分以下で終わる曲も、14分まで無音が入っている。バンドサウンドのジャズロック、あるいはアシッドジャズ。
2004年。アルバムの最初の2曲はヒップホップ調で、4曲目以降になると90年代以降のソウルが多くなる。「ア・ミリオン・デイズ」「シナモン・ガール」「ザ・マリイング・カインド」はギター、シンセサイザーともに持続音で組み立てられ、曲もメロディアス。プリンスが多くの楽器を演奏する録音に戻っている。アルバムタイトル曲は過去のアフリカ系アーティストに対する敬意が感じられるが、デビュー26年もたつプリンスがやる必要はないだろう。大ヒットと言えるヒットはこのアルバムが最後。全米3位。
2006年。名前をプリンスに戻して以降、以前のプリンス時代に最も近いサウンドとなった。特に後半は女性ボーカルやホーン・セクション、シンセサイザーを多用し、90年代以降のソウルやクラブ・ミュージックを敬遠する80年代以前のポップス、ソウル、ファンクのファンを喜ばせるだろう。「ロリータ」はシンセサイザーが効いた曲。全米1位。
2007年。前作に続きポップなサウンド。リズム・マシーンやエレクトロニクスをあまり使わず、従来型のバンドサウンドとなっている。ファンクが少なくなり、ロック、ポップスが多いのも一般の音楽ファンには親しみやすい。「ギター」「ザ・ワン・ユー・ワナ・シー」「レゾリューション」はポップだ。「ライオン・オブ・ユダ」は70年代のボブ・ディランのような歌い方。「サムホエア・ヒア・オン・アース」はジャズ風。「クリスタル・ボール」以来、ボーカルがつくスタジオ盤はオープニング曲がアルバムタイトル曲となっている。全米3位。
2009年。これまでで最もギターが活躍するロック。ファンクやソウルと認識される曲の方が少なく、80年代のハードロック、フュージョンのような曲もある。ロックのサウンドになったこと自体は創作意欲の上昇と解釈できるが、音楽的な冒険や野心とか、現在のポピュラー音楽に対応しようとする姿勢は一時的に停滞しているかもしれない。「クリムゾン・アンド・クローバー」はトミー・ジェイムス&ションデルスのカバー。トロッグスの「恋はワイルド・シング」を意識したような曲。「コロナイズド・マインド」は70年代のボブ・ディラン、「ウォール・オブ・ベルリン」「ドリーマー」は過去のロックの典型的サウンドを再現したかのような曲。「MPLサウンド」とともに発売された。全米2位。
2009年。「ロータスフラワー」と同時に発売。「ロータスフラワー」よりもギターが少なくシンセサイザーが多くなっている。ダンス調の曲が多く、「ロータスフラワー」とこのアルバムの曲を混合して2枚組のアルバムとして出せば2000年以降の最高作となったかもしれない。最後の「ノー・モア・キャンディ・フォー・ユー」がアップテンポになっているのもよい。
2010年。ヨーロッパの新聞に付録として発表された。内容以前に発表方法が耳目を集めた。バンドサウンドを基本に、ファンク、ロック、バラード等を展開し、音楽的に大きな工夫はしていない。ホーンセクション以外の楽器は全てプリンスが演奏。リードボーカルは女性が取る曲もある。10曲目から76曲目までは5秒の無音が続き、77曲目に3分の曲が収録されている。
2014年。プリンスによる主要楽器1人録音をやめ、バックバンドによる録音となっている。バックバンドがどの程度の裁量を持つのか不明。ミドルテンポの曲が多い中で、「ファンクンロール」はこれまでになかったようなEDM風の音を使う。全米5位。
2014年。3人編成の女性バンドが演奏。70年代前半のロックを思わせる曲調が多い。「エイントターニンラウンド」、アルバムタイトル曲は久しぶりにギターが大きく活躍する。アルバム中盤以降はポップなロックだ。「ファンクンロール」は「アート・オフィシャル・エイジ」収録のバージョンとは異なる編曲になっている。全米8位。
2015年。オープニング曲の「ミリオン・ダラー・ショー」はプリンスがリードボーカルを取らないが勢いがある。メロディー楽器が明瞭なメロディーをつくり、リズムは電子音よりもドラムが多く使われるのでアナログ感がある。ヒップホップというよりもEDMに近い曲がある。過去の曲の活用が含まれており、結果的にアルバムに多様性が出ている。全米48位。
2015年。4人編成のバンド、4人のコーラス、多数のホーン奏者が参加。シンセサイザーはプリンスが使っているとみられるが、伝統的バンドサウンドを基調としている。オープニング曲の「ボルチモア」はストリングス、コーラスを使った70年代前半のソウル風。「2Y.2D.」「エクストララヴァブル」はホーンセクションが曲を主導する。バラードでもシンセサイザーよりはギターやキーボードを使っている方がジャケットのアイマスクには目と眉がうっすらと描かれている。プリンスの死後にCD化された。全米40位。
2016年。ベスト盤。2枚組。1枚目は主に80年代前半、2枚目は80年代後半から93年まで。
2019年。邦題「レイヴ完全盤」。「レイヴ・アン2・ザ・ジョイ・ファンタスティック」と「レイヴ・イン2・ザ・ジョイ・ファンタスティック」を合わせ、ライブDVDを付けた3枚組。
2019年。プリンスが他アーティストに提供した曲を集めた企画盤。