1984年。ボーカルはラルフ・シーパース。ギター3人の6人編成だったという。
1985年。ギターが1人減り5人編成。ラルフ・シーパースのボーカルは、当時のジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードにそっくりで、オープニング曲の「ショックウェイブズ」は「ホイール・バーニング」に近い。「レッド・スウェット」はさらにそっくりな歌い方だ。
1986年。ギターとドラムが交代。この年、ジューダス・プリーストは「ターボ」を発表し、以前のジューダス・プリーストらしい音楽をやるバンドとしては最もジューダス・プリーストに近くなった。エンディングの「ウィー・アー・ストロング」はすばらしいバラード。音質も向上している。
1998年。メンバーが全員入れ替わり、キーボードを含む5人編成に。オリジナルメンバーだったギターのオリバー・カウフマンが裏方に回り、バンドの復活を支援したようだ。ギターとキーボードはストームウィッチのメンバー。ジューダス・プリーストのようなヘビーメタルではなく、ハードロックとも言えない。強いて言えばゴシックロック。音質はかなり悪く、ギターの音が割れる。ボーカルもメロディーの抑揚がよく聞き取れない。
1997年。タイラン・ペイス、ガンマ・レイのボーカル、ラルフ・シーパースとシナーのボーカル兼ベースのマット・シナーを中心としたバンド。ギターもシナーのメンバー。4人編成。ガンマ・レイのギター、カイ・ハンセンが参加している。大仰ではないヘビーメタルをラルフ・シーパースが歌うのはタイラン・ペイス以来で、実力通りのボーカルを聞かせる。「スピード・キング」はディープ・パープルのカバー。「サンダーストーム」はガンマ・レイの「リッチ・アンド・フェイマス」を意識したか。
1999年。ギターが1人増えて5人編成。前作よりハードになり、ラルフ・シーパースのボーカルも力強くなった。ある程度ヘビーメタルに慣れているならば、聞き手がどの曲に注目点を見いだすかはだいたい同じになるもので、このアルバムでは「ファイト・トゥ・サバイブ」の間奏部分だ。安定した演奏能力を持つバンドのアルバムは、聞いていて安心感を持てる。
2000年。ギターの1人が元サンダーヘッドのヘンニ・ウォルターに交代。アルバムを出すたびに高品質になっていくバンド。「バック・フロム・ヘル」はジューダス・プリーストの「ペインキラー」並みにヒステリックなボーカルで歌われる。曲もアグレッシブ。アルバムタイトル曲もすばらしい。日本盤ボーナストラックの「アイアン・フィスト・イン・ア・ベルベット・グローブ」も、ボーナストラックとは思えない質の高さだ。「アウト・イン・ザ・フィールズ」はゲイリー・ムーアのカバー。
2002年。「コンセプト盤」へのアプローチを試みてしまい、曲のクオリティーやアルバムの出来に影響を与える要因を増やしている。このバンドは、そもそも物語を主軸としたアルバムを作る必然性があるのかどうか。少なくとも、アイアン・セイヴィアーとは比較されることになる。他の同様のアルバムと比較しても、特に勝っている点は見られない。サウンド自体は前作と同路線だが、前作ほどの迫力はない。
2004年。ギターとドラムが交代。ギターはデビュー時のメンバーが復帰、ドラムは元アナイアレイター。マノウォーのようなヘビーメタル讃歌も含まれる本格的ヘビーメタル。ほとんどキーボードも使わず、これ見よがしのギターソロもなく、ヘビーメタル特有の短く刻むギターで埋め尽くされる。ボーナストラックはブラック・サバスの「ダイ・ヤング」とレッド・ツェッペリンの「流浪の民」のカバー。
2005年。ラルフ・シーパースの広い音域を活かしたメロディアスなヘビーメタル。10年後もサウンドは大きく変わらないだろう。ラルフ・シーパースは声がまったく衰えない。
2007年。
2009年。
2012年。