THE POP GROUP

  • ポストパンクの代表的ロックバンド。イギリス出身。
  • ボーカル、ギター、ギター兼ピアノ兼サックス、ベース、ドラムの4人編成。
  • 従来のロックバンドから見れば稚拙だったパンクバンドの演奏、表現が逆説的にロックの社会的意味を再考させ、パンク後に多様なアーティスト群を生みだした。表現の自由度、曲の政治性、社会性ではポストパンクを象徴している。

1
Y

1979年。邦題「Y(最後の警告)」。フリージャズに近い即興のサックス、不協和音ろ即興が多いギター、それに合わせた不定型のボーカルが、全体としてロックの範囲を拡大するサウンドとなっている。ドラム、ベースはリズム感を維持していることが多く、ギター、サックスが即興演奏をしているときは、ベースが目立つ。そこがダブとの接点だろう。プロデューサーがダブのアーティストだったことは、個性の強調に貢献している。このバンドはポストパンクの象徴だが、このバンドがさらにポストパンクの可能性を広げている。96年のCD化以降、シングルの「シー・イズ・ビヨンド・グッド・アンド・イーヴィル」がアルバムの冒頭に挿入されている。

2
FOR HOW MUCH LONGER DO WE TOLERATE MASS MURDER?

1980年。邦題「ハウ・マッチ・ロンガー」。ベースが交代。前作以上に政治的な曲が増えている。人名、政党名、企業名、国名を挙げて直接的に非難する曲ばかりだ。しかしそれはセックス・ピストルズの「拝啓EMI殿」「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」、ザ・クラッシュの「白い暴動」「反アメリカ」で示された直接的表現と変わるところはあまりなく、政治的ではあっても革新的ではない。政治的主張ばかりのアルバムはハードコアバンドに多いが、表現の形式としては前例踏襲だ。「ワン・アウト・オヴ・メニー」はこの時期のイギリスのバンドンは珍しいラップが入った曲だが、2014年のCDではシングルの「ウィ・アー・オール・プロスティテューツ」に差し替えられている。このアルバムで解散。

WE ARE TIME

1980年。企画盤。ライブ4曲、デモ3曲、スタジオライブ2曲、未発表曲1曲を収録。「戦火は消えない」と「狂気の時」以外の8曲はアルバムに収録されていない曲。サックス、ピアノはほとんど使われない。最後の「狂気の時」のライブがハイライトだろう。7分を超え、サックスも使われる。

CABINET OF CURIOSITIES

2014年。ライブ4曲、スタジオライブ2曲、バージョン違い3曲を収録。78年から80年の録音。「狂気の時」「アブストラクト・ハート」「アムネスティー・レポート3」がハイライトか。

3
CITIZEN ZOMBIE

2015年。再結成。ギターが抜け4人編成。プロデューサーはアデル、フローレンス・アンド・ザ・マシーン等のポール・エプワース。

6
HONEYMOON ONMARS

2016年。プロデューサーはデビュー盤と同じ。