1989年。4人編成。ボーカルはアンディ・デリス、ベースはデニス・ワード。アンディ・デリスがほぼ全曲で作曲にかかわっている。声域の最大の領域まで使ったメロディーで、上がり下がりの大きい曲が多い。メロディーそのものも印象的だ。日本盤発売は1991年。「アイ・オンリー・ウォナ・ビー・フォー・ユー」「パーティーメイカー」収録。ボーナストラックの「ホワイト・メン・ドゥ・ノー・レゲエ」はレゲエとしていい曲だ。
1991年。ミドルテンポがとても多い。ミドルテンポの曲でメロディーのすばらしさがよく分かるのは理解できる。このサウンドであれば、比較対照はこのアルバムで日本デビュー。「リヴィング・マイ・ライフ・フォー・ユー」「バレリーナ」「ホエア・ザ・イーグル・ラーンズ・トゥ・フライ」収録。
1991年。3曲はアルバム収録曲のバージョン違い。「デトロイト・ロック・シティ」はキッスのカバー。未発表曲1曲収録。
1991年。日本で発売された「36°/140°」の収録曲が異なる海外盤。「アイ・オンリー・ウォナ・ビー・フォー・ユー」の代わりに「トーク・トゥ・ザ・ムーン」のロング・バージョンが入り、「ホワイト・メン・ドゥ・ノー・レゲエ」のライブは「ピンク・クリーム69」に収録されていた曲。「エヴリワンズ・サムバディ」は「エブリバディーズ・サムバディ」として収録。「グリーティングス」は日本盤と異なるメッセージが使われている。
1993年。メロディアスな曲よりも、ギターやベースがグランジ・ロックやオルタナティブ・ロックの雰囲気を持つ曲が目立つ。しかし、ボーカル・メロディーはアンディ・デリスの作曲能力により、これまでの路線を受け継いでいる。しかし、サビで歌い上げる曲が少なくなった。
1995年。ボーカルのアンディ・デリスが抜け、デヴィッド・リードマンが加入。路線は前作とそれほど変わらないが、ボーカルはアンディ・デリスとはかなり異なる声。ハードロックというよりは通常のロック、もしくは同時代風に言うならばオルタナティブ・ロックである。そうしたジャンルに特段の違和感を持たない人にとっては、前作よりもメロディアスで、ボーカルの声に合った曲が多いと感じるだろう。「ゲームズ・ピープル・プレイ」と連続性を持っている。「20thセンチュリー・ボーイ」はT.レックスのカバー。
1997年。前作と同様通常のロック。サウンドの硬さは前作ほどではなく、なじみやすい。ハードロック、ヘビーメタルとして取り上げられることが気の毒だ。違うジャンルで取り上げられていれば状況が変わったはずだ。「ウィ・ウィル・ロック・ユー」はクイーンのカバー。
1998年。ライブ盤。14曲のうち、アンディ・デリスが在籍していた「ゲームズ・ピープル・プレイ」までの曲が5曲、デヴィッド・リードマンが在籍している「チェンジ」「フード・フォー・ソート」が9曲となっている。順不同で並べてみると、多くの曲がメロディアスだ。
1998年。ハードロックに戻り、すばらしい曲が並ぶ。総じてメロディアスで、デビュー盤以来の傑作。特定の楽器が目立つわけではないので、注目する点が曲の出来になるのは幸いだった。ハードロックといってもフェア・ウォーニングやボンファイアのようなドラマチックさの残るハードロックではなく、ロックからハードロックに移行してきたような音。サビでコーラスを多用している。ヘビーメタル風の「オーヴァー・ザ・ファイアー」はロイヤル・ハントのD.C.クーパー、ガンマ・レイ、プライマル・フィアのラルフ・シーパースが参加。
2000年。前作と同路線。ハードになった。ハードロックとヘビーメタルの間にあるサウンド。デビッド・リードマンのボーカルに迫力がある。「トゥルース・ヒッツ・エヴリバディ」はポリスのカバー。
2001年。「エレクトリファイド」以来指向してきたメロディアスなハードロックをやっている。このままいけばこれがバンドのサウンドとして定着する。ボーカルはさらに力がつき、ドイツのバンドのなかでは最上級に入ってきた。「ピンボールの魔術師」はザ・フーのカバー。
2004年。ギターが1人増え5人編成。ヘビーメタルに近づいている。キーボード、コーラスを適度に使う。「ゴッズ・カム・トゥゲザー」「アナザー・ロング・メイクス・ライト」「カーヴド・イン・ストーン」はすばらしい。名盤だ。「マイ・シャローナ」はザ・ナックのカバー。
2007年。邦題「インテンシティ」。前作に続き質の高い曲が並ぶ。ハードロックの手本のようなサウンドで、ボーカル、その他の演奏も申し分ない。ジャケットでやや損をしているか。
2009年。2枚組ライブ盤。