PILOT

  • イギリスのポップス、ロックバンド。3、4人編成。
  • 広い音域と明快なポップさで人気を得た。パンクが流行する前の短期間活動した。
  • 代表曲は「マジック」「ジャニュアリー」。

1
FROM THE ALBUM OF THE SAME NAME

1975年。邦題「パイロット」。ボーカル兼ベース、キーボード、ドラムの3人。覚えやすいメロディーとエルトン・ジョンにも通じる優れたポップ感覚で、日本でも人気があったバンド。ほとんどが3、4分で、自己満足のブルースやプログレッシブ・ロック風サウンドはまったくない。そこが潔く、親しみやすかった。特に「こぼれる微笑み」「マジック」「ネバー・ギブ・アップ」のようなハイトーン・ボーカルの曲はメロディーに抑揚がついてすばらしい出来。全米82位。「こぼれる微笑み」は90位、「マジック」は5位。

2
SECOND FLIGHT

1975年。ギターが加入し4人編成。前作よりもギターが前面に出ており、ハードロック寄りになったように聞こえるが、ポップなメロディーは変わらない。最後の2曲が古風なサウンドとストリングを使った曲の並びになっているのは前作と同じ。大ヒットした「ジャニュアリー」はさすがに際だった存在感がある。手拍子はお約束。「ジャニュアリー」は87位。

3
MORIN HEIGHTS

1976年。プロデューサーがアラン・パーソンズからロイ・トーマス・ベイカーに変わり、コーラスの処理の仕方や曲のつなぎ方が前作と変わっている。「カナダ」では、ソロで歌ってもいいような部分をわざわざコーラスで歌っている。スタジオ盤なのでコーラスは緻密に処理されているが、そういうことをしなくても十分魅力的なボーカルだろう。そこかしこに何となくクイーンの音づくりが見え隠れする。

4
TWO’S A CROWD

1977年。邦題「新たなる離陸」。キーボードとドラムが抜け、ボーカルとギターの2人編成。オープニング曲から「ジャニュアリー」のようなポップさで爽快。後半はストリングスを使ったミドルテンポの曲が多い。

5
BLUE YONDER

2002年。78年に活動停止後、ベース兼ボーカルのデビッド・ペイトンとギターのイアン・ベアンソンがパイロットとして活動再開。キーボードのビリー・ライオールは死去している。12曲のうち、1曲目から5曲目と、7曲目から9曲目までの8曲が「新たなる離陸」の再録音。新曲は2曲。突き抜けるようなポップさやメロディアスさというような曲ではない。再録音にはおなじみの手拍子もある。