PENNYWISE

  • アメリカのメロディック・パンクバンド。4人編成。
  • バッド・レリジョンなどとともに、メロディック・パンクのブームが起こる以前から活動している。
  • 他のバンドよりもハードコアの面影を多く残し、社会批判の歌詞が多い。

 
A WORD FROM THE PENNY

1989年。5曲入りEP。1992年に「ワイルドカード」を同時収録してCD化された。

 
WILDCARD

1989年。3曲入りEP。ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」のカバー収録。1992年に「ア・ワード・フロム・ザ・ペニー」を同時収録してCD化された。

1
PENNYWISE

1991年。ボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人編成。スピーディーでメロディアスなパンク、いわゆるメロコアのサウンドだ。コーラスが3声以上なので、メンバー全員がコーラスをとれるようだ。バッド・レリジョン、ストラング・アウトの初期のように、荒削りだが、その分生々しさがある。14曲で31分。

2
UNKNOWN ROAD

1993年。ボーカルがややよくなり、ベースが活躍する。サウンドの傾向は前作と同じ。

3
ABOUT TIME

1995年。オルタナティブ・ロック、メロディック・パンク全盛の時代だが、ギターの刻み方がヘビーメタル、もしくはスラッシュ・メタルそのものだ。曲の構成やリズムが多彩になり、スピードと勢いだけで突進する曲調から脱した。ハードコアの要素が後退したとも言えるが、全体として質が上がったという評価が妥当だ。

4
FULL CIRCLE

1997年。ベースが交代。「アンノウン・ロード」のころに戻ったサウンド。スピーディーに突進するが、「ペニーワイズ」や「アンノウン・ロード」のころよりも演奏能力が上がっているので安定した力強さがある。曲の長さが平均3分になり、アレンジ能力も上がったことが分かる。最後の「ブロー・ヒム・トリビュート」は亡くなったベースに捧げられた曲で、覚えやすいメロディーの曲が終わったあと、ピアノ独奏が入っている。

5
STRAIGHT AHEAD

1999年。アップテンポでありながら、落ち着いた演奏で、メロディック・ハードコアをやる。しかし、メロディック・パンクがロック・ファンに広まって以降は、同様のバンドや特徴のあるサウンドのバンドに押される。

LIVE@THE KEY CLUB

2000年。ライブ盤。曲の前、後ともMCがたくさん入っていおり、実際のライブの進行をそのまま録音したようなライブ盤。フェードアウト、フェードインなどはほとんどない。「マイナー・スレット」はマイナー・スレットのカバー。

6
LAND OF THE FREE?

2001年。ギターの刻み方がますますヘビーメタルに近い。ほとんどの曲はヘビーメタルに転用できそうなギター・サウンドだ。コーラスがボーカル・メロディーを補完する形で使われることが多くなり、ボーカルとコーラスを別個で作曲していることが推測できる。アルバムタイトルが明確に政治的で、歌詞も外向きの視点がある。社会に対する異議申し立てを分かりやすく訴えている。「フーズ・オン・ユア・サイド」はニルヴァーナのようなメロディー。

7
FROM THE ASHES

2003年。サウンドも主張も前作を踏襲。ジャケットも政治的で、サウンドよりも姿勢に重点を置いたかのようだ。ギターは1人のままだが、サウンドはツイン・ギターになっており、2人でないと再現できない。

8
FUSE

2005年。前作の路線。バッド・レリジョンに似てきた。メロディアスなハードコア・パンクの枠を出ずに、可能な限り演奏や曲の構成を向上させている。サウンドも攻撃的で内容にも申し分ないが、安定しているがゆえにスリルも少なくなってきている。

9
REASON TO BELIEVE

2008年。「アバウト・タイム」以降のサウンドの振幅を1枚のアルバムに収めたような内容。「ワン・リーズン」はヘビーメタルとしてもハードな曲。

10
ALL OR NOTHING

2012年。ボーカルが交代。前作から4年経ち、ボーカルも変わっているので実質的には復活作だ。全曲がアップテンポと言え、ミドルテンポになるのは曲の途中で変化を持たせるような曲だけだ。復活作としては予想通りの内容で、変化が現れてくるのは次作以降だろう。