パークウェイ・ドライヴはオーストラリアのメタルコアバンド。ギター2人の5人編成。アメリカ中心のメタルコアが他地域にも広がっていること示すバンドとなっている。メタルコアから徐々に音楽性を広げている。
2005年。2000年代前半にアメリカで隆盛となったメタルコアが、オーストラリアにも波及していることを証明するバンド。曲はアメリカのバンド群と遜色ない。ギターの明滅は明確で、バンド演奏は整合感が高い。ボーカルはデス声、咆哮型のボーカルの範囲内で表現を試みる。ギターはメロディーよりもリズムや短いフレーズを中心に組み立てる。時折出てくるメロディーはジューダス・プリーストに近い。
2007年。ベースが交代。1分弱のイントロに続いて鮮烈なギターのアンサンブルがアルバムへの期待を大きくさせる。前作よりややメロディーを増やしたか。全曲がバンドの作曲となっているが、曲によって作曲しているメンバーが異なっているだろう。ヘビーメタルを基盤にして通常ボーカルで歌っても違和感がない曲と、メロディックデスメタル風の曲と、楽器群の緩急を付けたメタルコアの曲と、80、90、2000年代それぞれの音が出てくる。
2010年。バンドのロゴを変え、新しい方向性を提示するかのようだ。個別の曲の構成よりもアルバム全体のテーマを重視している。したがって、曲の中で頻繁にテンポが変わる技巧的な曲よりも、その曲がアルバムの中でどのような役割を持っているかを意識した雰囲気重視の曲が増えている。アルバムのテーマは社会の中での自己確立の問題。
2012年。オープニング曲の「スパークス」とアルバムタイトル曲はバイオリン、チェロ、ピアノを使う。「ザ・スロー・サレンダー」はターンテーブルを使う。アルバムタイトル曲や「ブルー・アンド・ザ・グレイ」は一般的なメタルコアから飛躍しようとしている。作曲能力が上がり、アーティストが一つのジャンルに収まりきらなくなる過程を、前作とこのアルバムで示している。
2015年。咆哮型のボーカルでなければメタルコアではなくヘビーメタルという曲が増えた。「フィーチャーズ」のように曲の中でメンバーが声を揃えて叫ぶことも多くなり、曲の盛り上がりを増幅する。「デストロイヤー」「ヴィシャス」は演奏だけなら80年代風のヘビーメタル。「ダイイング・トゥ・ビリーヴ」「ボトム・フィーダー」「ザ・サウンド・オブ・ヴァイオレンス」はスリップノットそのもの。「ライティングス・オン・ザ・ウォール」はピアノ中心のミドルテンポ。
2018年。これまでの変化の方向性をそのまま延長し、メタルコアとヘビーメタルの間を行く音になっている。背景音にシンセサイザーが薄く使われるが、キーボードの代用として使わずに背景音を中心に使うところが2000年代以降風と言える。「プレイ」はライブで盛り上がることを意識した曲か。「イン・ブラッド」は歌詞の単語を長く引き延ばす歌い方をしており、リンキン・パークのように聞こえる。
2020年。ライブ盤。11曲目までがライブ、その後の3曲は既発曲のドイツ語録音。ライブの11曲は同一のライブからなので、いくつかの曲はMCを挟んで切れ目なしに収録されている。「プレイ」が最初の曲になっており、予想通りライブでの盛り上がりを前提にした曲だったことが分かる。「キリング・ウィズ・ア・スマイル」からの収録曲はなし。「ホライズンズ」からは2曲が収録されている。「イレ」からは3曲、「レヴェレンス」からは4曲。