1992年。邦題「ブルー・ディープ・オーシャン」。ボーカル兼ギター、ギター兼キーボード、ベース、ドラムの4人編成。イギリス出身。ドラムはアフリカ系。ややサイケデリックの雰囲気が入ったロックで、若さが繊細な方向に出ている。
1996年。ギターをメーンに、ピアノも使いながらシンプルなロックンロールをやっている。この時期のイギリスの異ロックバンドと比較すると、メロディアスでサウンドが古風だ。前作に比べ飾り気がなく、アイドル的雰囲気はなくなっている。「40パスト・ミッドナイト」はローリング・ストーンズの「夜をぶっとばせ」、「イッツ・マイ・シャドウ」はバッドフィンガーを思い出す。ザ・ジャム、スタイル・カウンシルのポール・ウェラーが3曲に参加している。「ザ・リヴァーボート・ソング」収録。
1996年。シングル盤。タイトル曲はポール・ウェラーが参加している。「ソー・サッド」「チャーリー・ブラウン・セッズ」はアルバム未収録曲。「ソー・サッド」はミドルテンポ、「チャーリー・ブラウン・セッズ」はドラムが参加しないスローテンポの曲。
1997年。シングル盤のB面曲を集めた企画盤。
1997年。60年代後半から70年代前半のイギリスのポップなロック、特にビートルズやトッド・ラングレンのようなサウンドに近い。前半はアップテンポまたは明るめの曲とミドルテンポの曲が交互に入っている。「オール・アップ」はピアノとベースが活躍するインスト曲。「トラヴェラーズ・チューン」と「ハーフ・ア・ドリーム・アウェイ」はPP・アーノルドが参加している。
1999年。あまり音の数を増やさずに録音され、全体がゆっくり聞こえる。アコースティック・ギターが増えたのでロックとしては落ち着いた印象がある。「ザ・ウェイヴズ」は教会オルガンが効果的に使われる。ボーナストラックの「カーネーション」はザ・ジャムのカバー。
2000年。「アイ・アム・ザ・ニュース」の新バージョンとライブ、「ジュライ」の新バージョンとリミックスほか、計7曲を収録した企画盤。
2001年。もともとメロディアスなバンドだったが、メロディーの引き立たせ方がうまくなったのか、ドラマチックさが生まれている。キーボードやストリングスを多用し、70年代後半のザ・フーのようなサウンドになっている。前作に比べ音の埋まり具合が大きくなり、コーラスが復活している。
2001年。ベスト盤。
2003年。70年代のメロディアスなロック、ポップスを十分に咀嚼してメンバーなりに再構築したすばらしいアルバム。「メイク・ザ・ディール」はロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」のようなドラムサウンドだ。「フォー・エヴリ・コーナー」は途中でコーラスのみの部分があり、この2曲が連続しているところが前半のハイライトだ。アコースティックギターが中心の「ザ・ソング・ゴーズ・オン」は異なる2曲をそれぞれ分割し、交互に配置したような曲だ。エンディング曲の「ホェン・イーヴル・カムズ」の最後は不協和音を混ぜ、時代性をまとわせている。
2003年。シングル盤からの曲を集めたベスト盤。
2004年。ライブ盤。
2005年。ベースが抜け3人編成。ベースはギター、ドラムが兼任している。ストリングス、ホーン・セクションなど9人がゲスト参加した「フリー・マイ・ネーム」は前向きなメロディーで高揚感がわく。ジョージ・ハリソンの「ワー・ワー」のカバーにつなげた曲順もいい。後半は落ち着いた曲が多くなる。ストリングスやホーン・セクションを他の曲にも大々的に使ってもよかったか。「ディス・デイ・シュッド・ラスト・フォーエヴァー」は珍しくアメリカのカントリー・ポップ調だ。ボーナストラックの「ベター・ザン・ビフォア」はレゲエ。
2007年。ベースとギターが加入し5人編成。前作とは違い、サウンドのほとんどをメンバーの演奏によって作っている。従って、ストリングスやホーン・セクションは出てこない。曲も凝った編曲がなく、全体的に分かりやすい構成だ。「フォー・ダンサーズ・オンリー」はザ・ジャム、スタイル・カウンシルのポール・ウェラー作曲、「マン・イン・ザ・ミドル」はメンバーのダン・シーリー作曲となっており、それ以外の11曲はバンド名義の作曲になっている。「フォー・ダンサーズ・オンリー」は未発表曲なので、このアルバムにはカバーがないことになる。6曲目まではロック・サウンド、7曲目以降はアコースティック・ギター中心のサウンドで、アナログ盤のA面、B面を意識した曲順だ。
2010年。「ア・ハイパーアクティヴ・ワークアウト・フォー・ザ・フライング・スクワッド」以来、再びストリングス、ホーン・セクション、女性コーラスを取り入れている。近作で多くなっているアコースティック・ギター、ピアノの曲も前作同様、後半に多く集めている。ジャケットからして60年代から70年代の、ネオンサインが輝く時代を意識しているのではないか。