2006年。既に作曲家として成功した実績のある男性が、自作の曲で歌手としてデビュー。ヒップホップ系ではなくR&B系なのでメロディーが従来のポップスのように流れる。リズムやサウンドは現代のエレクトロニクスに置き換えられ、ヒップホップ風の曲もあるが、ボーカルがラップになることはない。声はやや高め。「ゲット・ダウン・ライク・ザット」はオージェイズを使用。全米1位、100万枚。「ソー・シック」は全米1位、「セクシー・ラヴ」は全米7位。
2007年。曲によってマイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダーに影響を受けたようなサウンドになっており、それが多数の聞き手の安心感を生んでいる。前作と同様にエレクトロニクスだけで構成される曲もあるが、「アディクティッド」「セイ・イット」のような伝統楽器を使う曲の方が印象に残りやすい。受け入れられるかどうかは別にして、マルーン5やブルーノ・マーズに曲を提供してもいいのではないか。全米1位、100万枚。アルバムタイトル曲は全米2位。
2008年。これまでで最もメロディーが滑らかで、ロックやポップスのアーティストに転用できそうな曲が多い。声の高さを生かし、メロディーが高い音階で推移する。「ストップ・ディス・ワールド」はホリーズの「安らぎの世界へ」を思わせる曲。全米2位、100万枚。「クローサー」は全米7位、「ミス・インディペンデント」は全米7位、「マッド」は全米11位。
2009年。ベスト盤。DVD付き。日本のみの発売。「ビコーズ・オブ・ユー」のリミックスバージョンはカニエ・ウェストが参加している。
2010年。物語に沿って曲が進む体裁を取っているが、物語そのものを展開しているわけではなく、切り出した場面ごとに曲を作っている。従って物語の説明的歌詞はあまりなく、多くの曲が現代的なR&Bやヒップホップと同じように、ラブソングに収斂している。曲の歌詞だけを追っても物語の内容は分かりにくい。曲やサウンド自体も独立しており、必然性のあるサウンドとはなっていない。ますますマイケル・ジャクソンの歌い方に似てきた。全米9位、50万枚。
2012年。ダンス音楽の要素を増やしたサウンドとなっている。その典型的な変化はEDM風のサウンドの導入で、「レット・ミー・ラヴ・ユー」「ビー・ザ・ワン」「フォーエヴァー・ナウ」はそうした曲だ。EDM風ではない曲はミドルテンポが多く、アップテンポが少ない。アルバムを聴いて盛り上がるのは「レット・ミー・ラヴ・ユー」やカルヴィン・ハリスと共作した「レッツ・ゴー」のような、これまでとは異なるサウンドの曲のため、ひとつのアルバムの中で曲が二分化しているような印象が出る。ミドルテンポの個々の曲は質が高い。全米4位。
2015年。全米5位。