1994年。ロック、ポップスをほとんど聞かず、クラシックを中心に聞いてきたボーカルのアダムを中心とするバンド。クイーンやジャーニーのプロデュースしたロイ・トーマス・ベイカーがプロデューサー。この2点がこのバンドのポイントとして売り出されている。バンド名は作曲家のモーツァルトからとっており、レーベル名の「BCHOVEN」はバッハとベートーベンの名前の合成。サウンドはコーラスの厚いロックで、クイーンよりはロックンロールの割合が多い。「ホープ・アンド・グローリー」収録。「フォートレス・アラウンド・ユア・ハート」はスティングの、「グレイト・エクスペクテイションズ」はキッスのカバー。ボーナストラックで「ジャパン・イズ・コーリング」収録。
1995年。引き続きロイ・トーマス・ベイカーのプロデュース。コーラスは厚い。前作に比べ、コーラスのかかる部分をドラマチックなメロディーにしたため、アメリカ西海岸のバンドのロックとは思えない音になっている。メロディーやコーラスにクラシックからの影響が露骨に表れ始めた。「いつわり」はスティービー・ワンダーのカバー。「いつわり」はスティービー・ワンダーの最高傑作「インナービジョン」に収録されており、ロックの世界で言えばレッド・ツェッペリンの代表曲をカバーしたようなもの。「ノー・ルーム・フォー・ヘブン」収録。
1996年。メンバー自身がプロデュースし、カバーもない。したがってバンドのサウンドが最もストレートに出ていると言ってよい。前作に比べ、ロックンロール寄りになり、凝ったアレンジは控えめ。アダムは異才なので、消えるには惜しい。モーツァルトのアルバムは日本以外でリリースされた形跡がない。
1994年。モーツァルトより3カ月早くデビューした同地区のバンド。ボーカルがベースを兼任、ギター2人、キーボードを含む5人組。ボーカル兼ベースのクライド・ホリーがほとんどの曲を作曲している。メンバー全員にボーカルがクレジットされており、サビのコーラスは厚い。メロディアスなハードロックで、ロックンロールのノリは少な目。デビュー作としては高品質。特に最後の「ヒア・アンド・ナウ」はよい。「ミシシッピー・クイーン」はマウンテンのカバー。
2003年。中心人物のクライド・ホリーがボーカル兼ギターとなり、他のメンバーは全員入れ替え、ドラムとキーボードの3人編成となった。もともとクライド・ホリーの個人プロジェクトに近かったので、メンバーが大幅に入れ替わることは予測できた。メロディーやコーラスは以前のままだが、ギターのディストーションが大きくなっている曲もあり、暗めの曲も前作より多い。それでも前作並みの曲が多数。「雨を見たかい」はクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのカバー。メロディーを多少変えている。