1968年。アメリカ、カリフォルニアの7人組。ギター兼ボーカル5人、ベース兼キーボード、ドラム。ベース以外の6人が作曲できる。ボーカルのカート・ベッチャーを中心とし、コーラスの美しさ、アルバム全体の出来のよさで有名。ソフトロックでは傑作とされる。コーラスの美しさを特徴とするグループはたくさんあるが、このグループはトーンがやや高く、音域も広い。従ってコーラスが多彩だ。「午前5時」「君と」「イッツ・ユー」「イット・ウォント・オールウェイズ・ビー・ザ・セイム」はすばらしい。過剰なオーケストラ/サウンドは入っていないので、ロック・アルバムとして聞けるのがよい。「カルミック・ドリーム・シークゥエンス#1」は流行の東洋サウンドを導入。
1968年。シングル・バージョンが6曲追加されたイギリス盤。日本盤解説にあるバイオグラフィーやインタビューの英語版が読める。
2000年。「ビギン」収録曲のデモ・バージョンや未発表曲を集めた企画盤。「ラブ・アット・ラスト」はポコ、イーグルスのランディー・マイズナーが参加。「イッツ・ユー」と「イット・ウォント・オールウェイズ・ビー・ザ・セイム」のデモ・バージョン収録。「グッド・ピープル」はアルバム収録から漏れた曲。後半の収録曲は多くがアコースティック・ギターで演奏されるカントリー・ロック風の曲。14曲中11曲はマイケル・フェネリーが作曲に関わっており、カート・ベッチャーやサンディー・サリスベリーの曲は少ない。
2000年。「ビギン」収録曲のデモ・バージョンや未発表曲を集めた企画盤の第2弾。リー・マロリーの曲が多い。「プレリュード」と「トゥ・クラウディア・オン・サーズデイ」は「ビギン」のデモ・バージョン。「シェア・ウィズ・ミー」はザ・ミレニウム名義で唯一のゲイリー・アッシャー作曲作品。「サッチ・ア・グッド・シング」と「ノー・アザー・ラブ」でポコのランディー・マイズナーとラスティー・ヤングが参加。
2000年。1969年に録音されたミレニウムのボーカル兼ギター、サンディー・サリスベリーのソロアルバム。発売されなかった。アメリカ型バブルガム・ポップが多く、スチールギターを使っているところは時代と場所を物語っている。「オン・アンド・オン・シー・ゴーズ」はビーチ・ボーイズのカバー。「ヘル・ミー・ロンダ」に似たメロディー。「グッド・オールド・グッドタイムズ」はすばらしい。「ドゥ・アントゥ・アザーズ」はビーチ・ボーイズ風。「ベイビー・リッスン」はトニー・バロウズ風。「グッディ・グッドバイ」は紛れもなくバブルガム・ポップ。
2000年。サンディ・サリスベリーの未発表曲集。1967年から69年に録音されている。ミレニウム関連の曲はないが、サンディー・サリスベリーのソロアルバムに収録されている「ドゥ・アントゥ・アザーズ」と「セシリー」の別バージョンがある。ヒット性が高い曲ばかりというわけではなく、ミレニウムほどの緊張感もない。
1970年。ミレニウムのボーカル兼ギター、マイケル・フェネリーが結成したバンド。パーカッション、キーボードを含む5人組。キーボードはオルガン主体。「ゴー・バック」は傑作で、マイケル・フェネリーのギターがすばらしい。このバンドを象徴する曲はパーカッションとオルガンが活躍する「ピース・バイ・ピース」と「ハンガー・フォー・ラブ」だろう。どちらもソロが長い。マイケル・フェネリーはドアーズのオルガン奏者、レイ・マンザレクのソロアルバムに参加していたことがあるが、「ハンガー・フォー・ラブ」はそのドアーズを思い出させる。「ハウ・ロング・ウィル・イット・テイクス」を聞く限り、キーボードはクラシックの素養があると思われる。全米175位。「ゴー・バック」は36位。
1971年。女性コーラス、バイオリン、マンドリンが入り、アメリカのバンドであることを主張するアルバム。オープニング曲はピアノが弾むシャッフル・ビート。ハードロックからフォークロック、カントリーまで幅が広い。
1974年。マイケル・フェネリーのソロアルバム。