2009年。DJのディプロとスイッチによる、レゲエのエレクトロ、デジタルプロジェクト。全曲にボーカル等のゲスト参加がある。ダンスホール・レゲエの猥雑さや中南米文化の泥臭さよりも、エレクトロ音楽の陽気さがやや上回る。オープニング曲の「ホールド・ザ・ライン」は西部劇のサウンドトラックからディック・デイル風に入る。「キャント・ストップ・ナウ」「キャッシュ・フロー」はルーツ・レゲエ風。「メリー・ジェーン」はブラスバンドの雰囲気をうまく使っている。「キープ・イット・ゴーイン・ラウダー」はポップでヒット性が高い。「ポン・デ・フロア」は2011年にビヨンセの曲に使われた。日本盤は海外盤未収録曲1曲とリミックス2曲を収録。
2013年。スイッチが抜け、2人加入し3人編成。ダーティー・プロジェクターズ、ヴァンパイア・ウィークエンド、ハイムのメンバー、フージーズのワイクリフ・ジョン、ブルーノ・マーズ、シャギー、エレファント・マン等が参加し、前作よりもゲスト参加の幅が広がっている。ダーティー・プロジェクターズのメンバーが参加した「ゲット・フリー」は、ダーティー・プロジェクターズが持つ女性ボーカルのコーラスを含んでいる。前作よりもルーツ・レゲエ風の曲は減っているが、ヴァンパイア・ウィークエンドのメンバーが参加した「ジェシカ」はそれに近くなっている。「ワインド・アップ」「ウォッチ・アウト・フォー・ディス(ボマイェ)」「スウェット」「マッシュアップ・ザ・ダンス」はエレクトロ音楽に大きく振れている。
2014年。邦題「レイザー少佐の黙示録」。EP盤。5曲収録。「エアロゾル・カン」はファレル・ウィリアムスが参加し、メロディー楽器はほぼ出てこないパーカッションのみの曲。「サウンド・バング」「ルーズ・ユアセルフ」はリズムが強調されたエレクトロ・ダンス・ミュージックの雰囲気が強い。日本盤は「ウォッチ・アウト・フォー・ディス(ボマイェ)」のリミックスを収録。
2015年。アリアナ・グランデ、エリー・ゴールディング等が参加。前作はニューヨークのブルックリンを中心としたアーティストが参加していたが、今回は知名度のあるゲスト参加は2人だけだ。エレクトロ路線がさらに強まり、9曲のうち6曲が女性ボーカルなので、エレクトロ音楽として広く知られる要素が大きい。「ロール・ザ・ベース」はデビュー以来初めてゲスト参加がなく、メンバーがボーカルをとっている。「リーン・オン」はアルバムが発売される前にヨーロッパでヒットしている。女性R&B歌手の高い声と2音の下降メロディーで、ヒットするのは当然という曲。
2017年。EP盤。