LUCIFER'S FRIEND

  • ドイツのハードロックバンド。5人編成。ユーライア・ヒープに加入する前のジョン・ロートンが在籍していた。
  • 70年代前半はプログレッシブ・ロック寄りのハードロック、70年代後半はポップ化する。

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LUCIFER'S FRIEND

1971年。キーボード奏者を含む5人編成。ボーカルのジョン・ロートンはイギリス人で、他の4人はドイツ人。キーボードはハモンドオルガンのみ使用する。作曲者が誰なのか表記はないが、サウンド上はギターよりもオルガンとベースが目立つ。ボーカルは声に力があり、安定している。ハードロックのボーカルの手本となる人がまだ少ない時代で、ブルースやソウルを上手に歌えたり、声そのものが高かったりするボーカルが評価されたのかもしれないが、ハードロックを歌うのに最も適したボーカルのような印象がある。オープニング曲の「ライド・イン・ザ・スカイ」はレッド・ツェッペリンの「移民の歌」を思わせるメロディー。アメリカならレッド・ツェッペリン、日本とイギリスならユーライア・ヒープを引き合いに出されるだろう。

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WHERE THE GROUPIES KILLED THE BLUES

1972年。ハードロックからプログレッシブ・ロック寄りのサウンドになった。ピアノ、シンセサイザー、メロトロン、弦楽器、管楽器を取り入れ、テンポやリズムの変化が多くなっている。ギターとキーボード奏者が主に作曲しているようだ。オープニング曲の「ホボ」は前作に続きレッド・ツェッペリンの「移民の歌」を思わせ、ボーカルのすごさを感じさせる。ドラマチックな「マザー」は7分半、「サマードリーム」は8分。プログレッシブ・ロック・ファンはこのアルバムが最も評価が高い。

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I'M JUST A ROCK'N'ROLL SINGER

1973年。パーカッション、ホーン・セクションが使われ、「クローズド・カーテン」では女性コーラスも入る。前作と比べると曲の流れは分かりやすくなっている。ジャケットとアルバムタイトルから受けるようなロックン・ロール一辺倒のイメージではないが、「ロックン・ロール・シンガー」の印象は強力だ。「ブラインド・フリーダム」ではサックスとトランペットのソロがある。「ソング・フォー・ルイ」はムーグとメロトロンを使うプログレッシブ・ロック。

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BANQUET

1974年。弦楽器奏者16人、管楽器奏者16人、合唱3人が参加し、11分台が2曲ある大作志向のアルバム。7分近くある曲も展開がよく変化する。5曲のうち、長い3曲がプログレッシブ・ロック、3分台の曲がロックン・ロール、4分台の曲が一般的なロック。イギリスの流行であるプログレッシブ・ロックに追いつこうとしながら、アメリカでの成功も捨てきれないという迷いが感じられる。

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MIND EXPLODING

1976年。バイオリン、サックス、フルート等を担当するメンバーが加わり6人編成。「ブラインド・ボーイ」はビートルズの「デイ・トリッパー」風に始まる。このアルバムでジョン・ロートンが脱退、ユーライア・ヒープに加入する。

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GOOD TIME WARRIOR

1979年。ボーカルにマイク・スターズが加わった。サウンドはアメリカでもヒットしそうなハードロック。オルガンやメロトロンよりもシンセサイザーやピアノをよく使う。マイク・スターズのボーカルはジョン・ロートンに似ており、ドイツのバンドとしてはすばらしい。8曲のうち、7曲目まではアメリカの地名が出てきたり、ロックン・ロール的人生の肯定だったり、世界的な成功(すなわちアメリカでの成功)を意識している。最後の「ウォリアーズ」は10分以上。オルガンやムーグを使い、唯一「バンケット」の雰囲気を残している。

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SNEAK ME IN

1980年。2人目のキーボード奏者が加入し再び6人編成。全曲がコンパクトでポップだ。バンドの個性が見えにくくなっている。ドイツ出身であることを個性のひとつにしない場合、英米のバンドを上回る個性がないと成功するのは難しい。「スターダンサー」はキッスの「ラヴィン・ユー・ベイビー」を参考にしたようなサウンド。

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MEANMACHINE

1981年。ボーカルが交代し、ジョン・ロートンが復帰。デビューのころのハードロックに戻った。相対的にキーボードの量が減っている。「クール・ハンド・キラー」「アクション」はハードロック。「ワン・ナイト・センセーション」はかつての「ライド・イン・ザ・スカイ」や「ホボ」を思い出させるオルガンのメロディーが挿入される。「バイ・バイ・セイディー」はロックン・ロール。

HEART BEAT/JOHN LAWTON

1981年。ルシファーズ・フレンドのボーカル、ジョン・ロートンが、ルシファーズ・フレンドのメンバーの演奏で発表したソロアルバム。 

 
SUMOGRIP/LUCIFER'S FRIEND II

1994年。ボーカル、ギター、ベース、キーボードの4人で再結成。ドラムは不在。ハードロックにこだわらず、キーボードが主導するメロディアスなロックが中心。アルバムタイトル曲の「スモーグリップ」は1分ほどのインスト。「バンザイ」という曲もあるが、これも30秒のインスト。他の曲では衰えないジョン・ロートンの力強いボーカルが聞ける。「ライド・ザ・スカイ」は「ライド・イン・ザ・スカイ」の再録音。「フリー・ミー」はジョン・ロートンがユーライア・ヒープに在籍していたときのユーライア・ヒープの曲。ケン・ヘンズレー作曲。