2001年。4人編成。歌詞が「ハイランダー」という映画に基づいているという。映画はSFファンタジーであるが、「ハイランダー」という言葉自体はイギリス北部、スコットランドの高地の人を指す。ケルト文化が残っているため、もともと民俗伝承が多く、幻想文学の題材にされやすい。「ハイランダー」をモチーフにすることは、いわば「アーサー王物語」や「指輪物語」をモチーフにすることとあまり心性は変わらない。イントロとエンディングのSEがつき、曲によっては序章のようなキーボードのイントロもつく。ほとんどの曲がツーバスを連打する。ボーカルはハイトーンでも安定。アルバムの作り方やコンセプトの立て方はまぎれもなくヨーロッパ人の素性を出しているが、サウンドはこの路線のままで長く続けられるかどうか。
2003年。ギターとキーボードが加入し6人編成。キーボードががバックで響き、音を厚くしている。曲が長くなり、歌詞があるのは6曲。構成がわかりにくくなっているにも関わらず、聞き手に曲を覚えさせるほどインパクトは強くない。キーボードはクラシック調ではなく、オルガンやピアノのような器楽風でもなく、宇宙的な空間を想像させる音。ブックレットもそうしたイメージになっているので、ジャケット、歌詞、曲が総合的に一体化された作品になっている。前作同様にイントロとエンディングはインスト。エンディング曲が3分半あるのは長すぎか。最後の「ハイランダー(ザ・ワン)」は12分ある。
2005年。ロスト・ホライズンのボーカルが結成したバンド。4人編成。スピーディーな曲をやるとロスト・ホライズンと変わらず、バンドを新たに結成した意味がないので、そうした曲はない。ボーカルの声量、音域を発揮するため、必然的に抑揚の大きい、歌い上げる曲が多くなる。ボーカルのソロアルバムとしては最も妥当なサウンドに落ち着き、安心できる。しかしサウンド上の冒険は少なく、刺激は少ない。
2012年。ロスト・ホライズンのボーカルが参加したバンド。ボーカル、ギター2人、ベース、ドラムの5人編成。エレクトロニクスを取り入れた頃のソイルワーク、ダーク・トランキュリティーを、ヘビーメタルの雰囲気でやっている。ボーカルはメロディーをとるが、絶叫も使われる。ロストプロフェッツや数あるスクリーモに近くなる曲もある。全くの新人ならば注目されたかもしれないが、ヘビーメタルバンドでデビューした経歴の悪影響は少なくないだろう。
2002年。ボーカルがキーボードを兼任、ギター2人の5人編成。サウンドはストラトヴァリウスに似ているが、ストラトヴァリウスよりもキーボードが目立った活躍をせず、ボーカルはやや弱い。ギター2人はソロで聞かせるようなタイプではないのでドイツのヘビーメタルに近いところもあるが、個性が薄い。最後の曲はアルバムタイトル曲だけにもう少しメロディーを考えた方がよい。
2003年。「ブラインド・リーディング・ザ・ブラインド」はソナタ・アークティカを思い出す。北ヨーロッパにはこうしたバンドがたくさんあり、ハードロック・ヘビーメタルで主流を形成していることが分かる。ボーカルは前作よりもよくなった。日本盤ボーナストラックの「スリルズ・オン・ザ・ナイト」はキッスのカバー。
2005年。
2006年。
2011年。