2009年。ボーカルの多くの部分を2声、3声のハーモニーとし、減衰音中心のキーボード、歪みがかからないギターで、ニューヨーク・ブルックリンのインディー・ロックに近いサウンドだ。アコースティックギターにこだわらないフリート・フォクシーズと言ってもよい。2声で歌われる曲では、どちらがメーンメロディーかをはっきりさせない歌い方をしているため、逆にメロディーの解釈を自由にしている。定まらないメロディーだからこそ、大衆向けメジャーでなくインディーズだと言える。
2013年。ベースが抜け4人編成。ベースはギター兼ボーカルが兼任する。ボーカルハーモニーに主従関係がつき、メーンメロディーが分かるようになった。バックの演奏はインディーズ特有の、持続音によるギターとシンセサイザー、減衰音によるキーボードやピアノで抑制の効いたメロディーを作る。ロサンゼルスから出たブルックリンのサウンドというのが面白さの1つだ。どの曲もロックの範囲内でのサウンドになっており、ポストロックのような緊張感を強いる曲はない。