1989年。70年代のロック、ソウルに憧れたようなサウンド。アルバムタイトルから1960年代後半のフラワー・ムーブメントを意識していると思われる。歌い方はロックではなくソウルやレゲエだ。曲によってはスティーヴィー・ワンダーを感じさせる。
1991年。ボーカルの表現力を広げた。「フィールズ・オブ・ジョイ」はビートルズのジョン・レノンの息子、ショーン・オノ・レノンと共作。「イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー」は70年代風ストリングスが入る。スティーヴィー・ワンダー、ジミ・ヘンドリクス、レッド・ツェッペリンのような大物アーティストを感じさせるため、初めて聞く人にも安心感がある。「オールウェイズ・オン・ザ・ラン」はガンズ・アンド・ローゼズのギター、スラッシュが作曲、演奏で参加。
1991年。シングル盤。「オールウェイズ・オン・ザ・ラン」はインスト。
1991年。ミニアルバム。日本でのライブを3曲収録。
1993年。邦題「自由への疾走」。オープニング曲はアルバムタイトル曲で、ジミ・ヘンドリクスを思わせる。2曲目はストリングスを使い、オープニング曲とのサウンドの違いを際立たせている。「エルーセリア」はレゲエ。
1993年。ミニアルバム。8曲収録。3曲は「レット・ラヴ・ルール」「ママ・セッド」収録曲。2曲は未発表曲。
1993年。邦題「悲しみの十字架」。ミニアルバム。8曲収録。2曲は新曲。
1995年。ギター中心のサウンドとなり、ピアノ、オルガン、ストリングスはかなり少なくなった。ほとんどのドラム、ベースもレニー・クラヴィッツが演奏している。シンプルで古典的なロックンロールをやろうとしたアルバムだ。ブックレットも生身のレニー・クラヴィッツをさらした写真が多い。「ロックンロール・イズ・デッド」収録。
1998年。「サーカス」から一転してサウンドが華やかだ。ホーン・セクション、エレクトロニクス、キーボードを大幅に取り入れ、ソウルやファンクが明るかったころのサウンドになっている。エレクトロニクスを使う曲は現代のロックと変わらない。「サーカス」とは逆の方向で異色と言える。
1998年。シングル盤。エレクトロニクスを取り入れ、サウンドを現代的に変えてきている。
2000年。ベスト盤。「アゲイン」収録。
2001年。アレンジが整えられたロックンロールのアルバム。ホーン・セクションやキーボードは少なく、ギター中心に戻っているが、ジミ・ヘンドリクスやレッド・ツェッペリンのような無造作感ではなく、演奏に整合感がある。「ビリーヴ・イン・ミー」「ペイ・トゥ・プレイ」「ユー・ワー・イン・マイ・ハート」はプログラミングによるリズム。それ以外のほとんどはレニー・クラヴィッツが演奏している。「ディグ・イン」収録。
2001年。シングル盤。「ローズマリー」「遙かな面影」はレニー・クラヴィッツのギター弾き語り。
2004年。キッスやレッド・ホット・チリ・ペッパーズを思わせる曲が入り、前作に続いて聞きやすいサウンド。「カリフォルニア」など、明るいイメージの曲もある。サックスと一部のギター以外はレニー・クラヴィッツの演奏。「ストーム」はジェイ・Zが参加している。
2008年。邦題「ラヴ・レヴォリューション」。ロックンロール・リバイバルのようなアップテンポの曲で始まる。2曲目以降は従来のレニー・クラヴィッツにあったような、レッド・ツェッペリン、ビートルズのような曲になる。以前に比べブルースが増えており、1970年前後にロックの最先端としてかっこよかったころのブルースロックを思わせる。ギターの表現力も豊かになった。
2011年。ホーン・セクション、キーボードを使い、前半は現代的なロックが続く。7曲目の「スタンド」は80年代風ローリング・ストーンズ。途中でギターとキーボード中心の曲が続くが、12曲目から最後の「プッシュ」まで再び5曲連続でホーン・セクションを使う。「レニー」や「バプティズム」の内面志向から変化し、人種や国家のような社会のありように関心が移っている。