LEANN RIMES

  • アメリカの女性カントリー・ポップ歌手。1982年生まれ。同時期の女性カントリー・ポップ歌手に比べ、声が低い。
  • 90年代後半のカントリー・ポップの流行を作った歌手の一人。

1
BLUE

1996年。リアン・ライムスはアメリカの女性カントリー歌手。このアルバムを出したときに14歳だったというのが話題になった。女性歌手としてはそれほど声域は広くない。ヨーデル風の編曲が出てくるのは、カントリーの先駆者であるジミー・ロジャースの「ブルー・ヨーデル」を意識したと解釈できるが、裏声を使って音域をカバーするという意味もあるだろう。作曲に関わっているのは「トーク・トゥ・ミー」のみ。11曲で35分。全米3位、600万枚。

2
UNCHAINED MELODY:THE EARLY YEARS

1997年。「ブルー」を発売する前、11歳から12歳のときに録音した曲を集めた企画盤。「イエスタデイ」はビートルズ、「アンチェインド・メロディ」はライチャス・ブラザーズ、「オールウェイズ・ラヴ・ユー」はホイットニー・ヒューストンまたはドリー・パートン、「ブルー・ムーン・オブ・ケンタッキー」はビル・モンロー&ヒズ・ブルーグラス・ボーイズまたはエルヴィス・プレスリーの「ケンタッキーの青い月」、「カウボーイズ・スウィートハート」はロザリー・アレンのカバー。「カウボーイズ・スウィートハート」はヨーデルが入るカントリーのスタンダード。全米1位、200万枚。

3
YOU LIGHT UP MY LIFE:INSPIRATIONAL SONGS

1997年。声が安定して伸びるようになり、張りもある。ドラム、ピアノ、キーボード、パーカッションを使用し、ポップス歌手のサウンドと変わらない。ボーカルの歌唱力が目立つ曲が増えている。「明日に架ける橋」「ゴッド・ブレス・アメリカ」「アメージング・グレース」など、有名曲を含む。最後の曲はアメリカ国歌。全米1位、400万枚。

 
YOU LIGHT UP MY LIFE:INSPIRATIONAL SONGS

1997年。最後の曲の「アメリカ合衆国国歌」を、「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」のMR.BIGリミックスに差し替えた再発売盤。ジャケットも変更。MR.BIGリミックスは一般的なリミックス。ロックバンドのMR.BIGがかかわっているわけではない。

4
SITTIN' ON TOP OF THE WORLD

1998年。ポップス歌手のアルバムと変わらなくなってきた。安定してファンを獲得できるカントリーを入り口に選んだだけで、当初からポップス歌手として成功することを狙っていたのではないか。ほとんどの曲がバラードやミドルテンポで、若さを前面に出した勢いのある曲はない。「パープルレイン」はプリンスのカバー。このアルバムで日本デビュー。

5
LEANN RIMES

1999年。1950年代から60年代にかけての曲が多く、12曲のうちパッツィ・クラインのカバーが5曲もある。ハンク・ウィリアムスも2曲ある。カントリー寄りになった。パッツィ・クラインのカバーはストリングスを多用する。ハンク・ウィリアムスの曲はバイオリンが入り、カントリーの雰囲気を多く残している。「ミー・アンド・ボビー・マギー」はジャニス・ジョプリンで有名な曲。

 
COYOTE UGLY

2000年。映画のサウンドトラック。12曲のうち、リアン・ライムスは最初の4曲に収録されている。サウンドはリズム・マシーンやコンピューターで編曲されたポップス。イーグルスのドン・ヘンリー、イギリスのハウス系ファンク・バンドEMF、ドイツのスナップ、オーストラリアのイン・エクセス、チャーリー・ダニエルズ・バンド等が参加。チャーリー・ダニエルズ・バンドの「悪魔はジョージアへ」が最も有名。イン・エクセスの「ニード・ユー・トゥナイト」も近年では有名。

 
CAN'T FIGHT THE MOONLIGHT

2000年。シングル盤。タイトル曲のバージョン違い1曲収録。

6
I NEED YOU

2001年。再びポップス路線で、ジャケットのイメージもカントリーの雰囲気は一切ない。比較対象はセリーヌ・ディオンやシャナイア・トゥエインであり、新しく出てきたブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラである。オープニングのアルバムタイトル曲はバグルス、イエスのトレバー・ホーンがプロデュース。「ラヴ・マスト・ビー・テリング・ミー・サムシング」はソウル風ロックン・ロール、「ユー・アー」はダンス音楽。「リトゥン・イン・ザ・スターズ」はエルトン・ジョンとデュエットしている。「キャント・ファイト・ザ・ムーンライト」収録。

7
TWISTED ANGEL

2002年。ほとんどの曲をデスモンド・チャイルドが作曲し、制作している。デスモンド・チャイルドは1980年代後半、ボン・ジョヴィ、アリス・クーパー、エアロスミス、キッスとともに作曲し、ポップで覚えやすい曲を量産した作曲家。「アイ・ニード・ユー」の路線で、リスム・マシーン、キーボード、コンピューターを中心にしたサウンド。「サドゥンリー」は誰が歌ってもその人の曲になってしまうようなメロディーで、ハードロックのアーティストがやっていても違和感はない。アルバムタイトル曲はソウルあるいはブルースのような曲。

GREATEST HITS

2003年。ベスト盤。

THE BEST OF LEANN RIMES

2004年。ベスト盤。

WHAT A WONDERFUL WORLD

2004年。クリスマス・ソングを収録したアルバム。ホーン・セクションを含むジャズ風のサウンドを含む。「オー・ホーリー・ナイト」は揚々と歌い上げる。

8
THIS WOMAN

2005年。スチール・ギターとバイオリンを多用し、カントリーに大きく振れた。メロディーの親しみやすさはこれまでどおり。ダン・ハーフがギターで参加している。「ホウェン・ディス・ウーマン・ラヴズ・ア・マン」はパーシー・スレッジの「男が女を愛するとき」の逆になるタイトル。

9
FAMILY

2007年。オーソドックスなロックのサウンド。カントリーからは遠ざかった。「ダズント・エヴリバディ」はアメリカの「金色の髪の少女」を思い出すイントロだ。ボーナストラックの「ティル・ウィー・エイント・ストレンジャーズ・エニーモア」はボン・ジョヴィとデュエットしていることになっているが、参加しているのはボーカルのジョン・ボン・ジョヴィだけ。ボン・ジョヴィの「ロスト・ハイウェイ」にも収録されているが、バックの演奏者は違う。「ホエン・ユー・ラヴ・サムワン・ライク・ザット」はカントリー歌手リーバ・マッケンタイアとデュエット。

10
LADY & GENTLEMEN

2011年。