LACUNA COIL

  • 男女ボーカルを擁するイタリアのゴシック・ロックバンド。当初はゴシックメタルのサウンドだったが、キーボードが増え、ヘビーメタルの要素は少なくなっている。
  • 「コマリーズ」で注目され、「カーマコード」で世界的にヒットするようになった。
  • 2000年代の女性ボーカルのロックバンドとしては先駆的バンド。

 
LACUNA COIL

1997年。男女ボーカル、ギター2人の6人編成。イタリア出身。6曲入りミニ・アルバム。女声ボーカルのクリスティーナ・スカビアが中心人物であるかのようなジャケット・デザインで、裏ジャケットにもクリスティーナ・スカビアの加工された顔写真が映っている。曲によってはキーボードも使用する。サウンドはミドルテンポのロックで、男性5人の風貌からヘビーメタルと見られてしまうのはしょうがないが、明確にヘビーメタルだと断定するほどの特徴はない。曲調は暗め。バラードの「フォーリング」は全編をクリスティーナ・スカビアが歌う。男声ボーカルは通常の歌い方で、特に変わったところはない。クリスティーナ・スカビアのボーカルはよく伸び、歌唱力も安定している。

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IN A REVERIE

1999年。ギターが1人抜け、もう1人のギターとドラムが交代。5人編成。ボーカルのかなりの部分を女性が歌う。男女ボーカルの場合、女性に人気が集まりやすくなるため、男声ボーカルが減るのは珍しいことではない。サウンドはあまり変わらず、暗めのミドルテンポが多い。

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UNLEASHED MEMORIES

2001年。ギターが1人増え6人編成。女声ボーカルにコーラスがつくようになったが、コーラスをやっているのはクリスティーナ・スカビアだと思われる。前作よりもメロディアス。男声ボーカルもデス声に近い歌い方が出てくるようになり、男女ボーカルだけがこのバンドの個性となってきた。 

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COMALIES

2003年。ギターがメロディアスに演奏されることが減り、相対的にキーボードが曲の雰囲気を決定している。ヘビーメタルとロックの中間を行くサウンドになっている。ゴシック・ヘビーメタルからゴシック・ロックに変わっていると言ってもよい。アメリカで「ヘブンズ・ア・ライ」「スワンプト」がヒットし、ヨーロッパだけの人気バンドから脱却した。エヴァネッセンスの人気上昇と同時期に注目されたことが大きい。日本盤は2005年発売。

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KARMACODE

2006年。女性がボーカルをとるロック・バンドとしては、世界的な知名度や人気で最高水準になっている。ゴシック・ロックがサウンド上の特徴だけではなく、ゴシックの歴史的背景も語義に含んでいるならば、イタリア出身であることはバンドにとって優位になってくる。やや異国趣味風のサウンド、心の安寧をもたらす女声ボーカル、キーボードは、アメリカ人のゴシックに対するイメージと合致し、それが一種の安心感に変わる。この安心感は、ゴシックが持つ宗教的高揚感とからんでいるのではないか。2001年以降の不安と精神的保守傾向がゴシック・ロックの流行に影響しているとも言える。サウンドは前作の路線。

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SHALLOW LIFE

2009年。女性ボーカルがいるバンドにあるがちな、女性ボーカル主体ではなく、男性ボーカルも力強く歌う。現代のロックの数ある先端バンドのひとつ。「アイム・ノット・アフレイド」は誰もがリンキン・パークを思い出すだろう。かなり大胆だ。最近のバンドにしては珍しく、最長の曲が4分と短い。