2006年。シングル盤2枚の4曲とリミックス2曲を収録したEP盤。シングル盤の4曲のうち2曲はアルバムにも収録されている。「4・ホースメン・オブ・2012」はアルバム収録曲とは違うバージョン。「ザ・バウンサー」はベースがストラングラーズのような硬い音。スタイルが整ったメロディーのある曲ではない。リミックスの2曲はダンス音楽そのもの。
2007年。邦題「近未来の神話」。ギター、ベース、キーボードが全員ボーカルを兼任する3人組。ドラムに関する表記はない。特定のメンバーがボーカルをメーンにしているわけではなく、ほとんどの部分でボーカルが複数になっている。ややファルセット気味。キーボードを中心とするメロディアスなロックで、ドラムがいなくてもロックバンドのサウンドになっている。フランツ・フェルディナンドのようなダンス音楽風味があるが、フランツ・フェルディナンドのように余裕のある曲調ではなく、どちらかと言えば不安や不安定な未来を感じさせる。フランスのジャスティスとともにニューレイブと呼ばれる一群のアーティストの代表とされている。「アトランティス・トゥ・インターゾーン」のイントロのサイレンがニューレイブの象徴的サウンドとされていたという。「フォゴットゥン・ワークス」はケミカル・ブラザーズの「オール・ライツ・リヴァースト」に使われたフレーズが入っている。
2010年。ドラムが加入し4人編成。背後を覆う輪郭のあいまいなギター、シンセサイザーが、いわゆるシューゲイザーの辛みを思わせる。ボーカルはファルセットと通常の声、もしくは通常の声と低い声を合わせることが多い。曲調は明るくも暗くもない。曲の終わり方が一般的な形ではなく、まだ曲が続くかのような雰囲気を与えながら曲が切れる。曲が終わったという安定感や秩序を見せないことで、さらに次の曲、別の曲を聞きたくさせる手法だ。
2015年。バンド編成をとるクラブミュージックのグループになってきた。バンド編成を意識した曲とエレクトロニクスを中心にした曲があり、前者は「ゼア・イズ・ノー・アザー・タイム」「インヴィジブル・フォーセス」、後者は「リキッド・ライト」「アトム・トゥ・アトム」がある。ロックとクラブミュージックの境界を小さくした貢献者であるケミカル・ブラザーズのトム・ローランズが参加しており、クラクソンズの音もそれに近くなっている。「ザ・ドリーマーズ」は単純なリズムながら、バブルガムサウンドになるとゲイリー・グリッターの「ロックン・ロール・パート2」を思い出し、それにシンセサイザーの現代的な音が乗ってくる。ボーナストラックでケミカル・ブラザーズのトム・ローランズがリミックスしているタイトル曲は「ウィー・アー・ザ・ナイト」の「サチュレイト」を思わせる。