THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION

  • ボーカル兼ギターのジョン・スペンサーを中心とするバンド。アメリカ、ニューヨーク出身。
  • ボーカル兼ギター、ギター、ドラムの3人編成。
  • 衝動的なロックンロールをベースなしのギター2本で演奏し、「オレンジ」で曲が飛躍、「アクメ」で緩急をつけるようになった。
  • 第1回のサマーソニックのトリをグリーン・デイとともに務める。

A REVERSE WILLIE HORTON

1991年。デビュー盤。15曲のうち13曲は「クリプト・スタイル」または「ザ・ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン」に収録されている。収録されていないのは「タイプ・キャスト」と「ユー・ゴナ・チェンジ」。

1
CRYPT STYLE

1992年。ベースを使わず、サポートメンバーも使っていないので、ベースに代わる音はギターでやっている。3人だけで完結したサウンドで、ガレージロック、ブルースロック、ロックンロールが豪快だ。装飾をしない荒削りな音。1980年代のロックに対する反動という意味ではグランジやオルタナティブ・ロックと同じだ。「ラヴィン・アップ・ア・ストーム」はジェリー・リー・ルイスのカバー。日本で先に発売。25曲で49分。アメリカは1993年発売。

 
THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION

1992年。20曲収録。ホーン・セクションが3人参加している。「クリプト・スタイル」と同様のサウンド。「エクスプローダー」「チェンジド」「ヴァキューム・オブ・ロンリネス」の3曲はこのアルバムのみの収録。

2
EXTRA WIDTH

1993年。通常の形式で出た最初のアルバム。若干のキーボードを加え、エレキギターとドラムだけでブルース、ロックをやっている。音の荒さはやや収まっているが、本格的に音を整形しようという意図はみられない。前作まで平均2分だった曲の長さが3分程度になっている。

3
ORANGE

1995年。オープニング曲のイントロからストリングスを使い、ギターの一方をベースとして使う。前作から大きく飛躍し、多くの聞き手がロックに期待するアンサンブルやビート、ハードさをどの曲も備えている。キーボードやストリングスは曲に応じて使われ、アレンジ能力が上がっている。

4
NOW I GOT WORRY 

1996年。前作とは異なり、オープニング曲のイントロは叫ぶ声。ギター、ドラムは男性的な演奏で、音の角を多数残す。オルガンやピアノ、スライドギターを使い、1960年代のロックンロール、ブルースに近くなっている。ロックの演奏における人間らしさを損なわない程度の編集がある。

CONTROVERSIAL NEGRO

1997年。ライブ盤。

5
ACME

1998年。勢いに任せて破壊的に演奏することがなくなり、ミドルテンポの曲が多くなった。爆発というイメージではなくなってきている。「オレンジ」に続き2度目のサウンド変化になるが、変化した後の音自体には特段の面白さがないため、このアルバムだけを聞いただけでは変化が伝わりにくい。

6
PLASTIC FANG

2001年。ベースを含むオーソドックスなロックンロール中心になった。アルバムごとにロックンロール、ダンス音楽ではなくなったころのロックに近くなっている。

7
DAMAGE

2004年。ブルース・エクスプロージョンに改名。男性的な、破壊衝動を音にしたようなロックでデビューしたバンドが必ず通過する路線を、このバンドもたどっている。すなわち、少ない音でソウルやロックンロールをやることだ。ただ、これまでのバンドと同じようにロックの編成だけで演奏しているわけではなく、エレクトロニクスや音の編集加工も使われており、現代性は表れている。「クランチー」はローリング・ストーンズ風。「ホット・ゴシップ」はヒップホップを含んだオルタナティブロック。

8
MEAT AND BONE

2012年。元のバンド名に戻った。ギター2人、ベース、ドラムを基本に。最小限のキーボードも使う。20代のようなハードなロックンロール、ブルースロックをアップテンポでやっている。曲によってギターの音を変えず、ダンス的なリズムよりは衝動的な勢いが強い男性的なビートなので、曲が進むうちに一本調子になる。12曲で40分。