ISIS

  • アメリカのロックバンド。エレクトロニクスを含む4、5人編成。
  • エレクトロニクスを使い、緩急のついた実験的なラウドロック、ポストロック、ヘビーメタルを提示する。2010年に解散。

 
THE MOSQUITO CONTROL EP

1998年。4曲入りEP。アイシスはギターのアーロン・ターナーを中心とする4人編成。アメリカ出身。ボーカルはエレクトロニクスも担当する。低音のギター、ベースで引きずるようなフレーズを演奏し、やや絶叫気味のボーカルが乗る。ギターは随時ブラック・サバスのようなメロディーを入れる。ミドルテンポが中心。ドゥーム、ヘビーロックの一種、スラッジの雰囲気がある。日本盤ボーナストラックの「ストリートクリーナー」はゴッドフレッシュのカバー。

THE RED SEA

1999年。7曲入りEP。ボーカルが交代。7曲のうち後半の4曲は「モスキート・コントロール」よりも録音時期が古い。イントロや途中に朗読や会話をサンプリングしている曲が複数あり、タイトル曲にも女性の声が挿入されている。サウンドはヘビーロックに絶叫型ボーカルを乗せている。「ハンド・オブ・ドゥーム」はブラック・サバスのカバー。

1
CELESTIAL

2000年。ミドルテンポのヘビーロックに、機械を通しているような奥まった絶叫ボーカルがつく。キング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」の最初の部分をゆっくり、今風に演奏しているような感じだ。1970年代のブラック・サバスをゆっくり演奏していると言ってもよい。ボーカルはギターにかき消されるような引っ込み気味。

SGNL>05

2001年。5曲入りEP。「セレッシャル」と同系統のサウンド。「SGNL>01」から「SGNL>04」までは「セレッシャル」に収録されているので、「セレッシャル」と「SGNL>05」は一連の作品といえる。「セレッシャル」よりも緩やかなテンポが増え、サイケデリック・ロックの雰囲気がある。

2
OCEANIC

2002年。バックの演奏がハードさを増し、ギターの音圧や切れも大きくなった。ボーカルも絶叫型から離れ、ボーカルとしての歌唱を感じさせる。アルバム全体が大きく3つに分かれ、4曲目までの計30分は平均8分のロック、5、6曲目の計5分はインターバルで、7曲目から9曲目までの28分は再びロックとなる。

3
PANOPTICON

2004年。エレクトロニクス、キーボード、ディストーションのかからないギターを使い、静かな部分を作り出す。ボーカルが入るときにディストーションがかかったギターとドラムで音を大きくして、メリハリを付けている。リズムと音の大小、もしくはハードさがリンクしており、それがためと解放を作り出している。代表作。

OCEANIC REMIXES/REINTERPRETATIONS

2004年。「オーシャニック」のリミックス盤。2枚組。

4
IN THE ABSENCE OF TRUTH

2006年。前作よりもメロディアスなフレーズが増え、通常のボーカル、デス声を使う。オーペスのようなプログレッシブ・ヘビーメタルに近いサウンド。深く長く減衰するギターが冷めた緊張感を作り、デス声とディストーションのかかったギターでその緊張を爆発、解放させる。「パノプティコン」よりメロディーを聞かせる部分が多くなった。

 
HOLY TEARS+NOT IN RIVERS,BUT IN DROPS

2008年。「イン・ジ・アブセンス・オブ・トゥルース」に収録されている「ホーリー・ティアーズ」と「ノット・イン・リヴァーズ、バット・イン・ドロップス」の、アルバム・バージョン、ライブ、リミックスをそれぞれ収録した企画盤。バージョンによって曲の長さがかなり異なる。

5
WAVERING RADIANT

2009年。アルバムタイトル曲は1分のインスト曲で、この曲以外は7分から11分の曲。「イン・ジ・アブセンス・オブ・トゥルース」よりも一般のロックに近づいているが、それは通常のボーカルが多くなってデス声の割合が減ったとか、不協和音を意識したギターが減っただけで、万人に受け入れられるようなサウンドになったわけではない。「ストーン・トゥ・ウェイク・ア・サーペント」は「オーシャニック」以降のサウンドの集大成のようなすばらしさだ。