2003年。ボーカル兼ギターが2人、ベース兼キーボード、ドラムの4人編成。アメリカ・ニューヨーク出身。ギターとキーボードはニューウェーブ、ボーカルはパンクからニュー・ウェーブ、ニュー・ロマンティックの雰囲気で、曲はおおむね暗い。キーボードが入ったオアシスで、ドアーズのジム・モリソンが歌っているような感じだ。「セイ・ハロー・トゥ・ジ・エンジェルズ」や「ローランド」はハードな方だが、ボーカルが抑え気味で声を張り上げず、そこがジム・モリソンとは異なっている。全米158位、全英101位。
2004年。サウンドの暗さがやや薄れ、明らかなニューウェーブの影響を感じることはなくなった。ギターにバリエーションが出てきたので、曲のイメージも幅広くなっている。ハードさがあり、ロックらしくなった。全米15位、全英21位。
2007年。キーボードを取り入れ、ヨーロッパ特有のメランコリックなロックとなっている。デビュー時にあった暗さを押し進め、メロディーの流れを自然にした。サウンドが大人になったとも言える。バンドにとっては大きな転換かもしれないが、ロック全体から見れば、注目すべき変化ではないだろう。なにがしかの角が立った特徴が、抑制されて普遍性のある方向に変化しても、その逆方向の変化よりは注目されにくい。ただ、ロック以外の聞き手からの反応は増えるだろう。全米4位、全英2位。
2010年。長く響くギター、ピアノ、キーボードなどでメロディーを構成し、やや悲壮で内省的な雰囲気を出す。前作を引き継ぐサウンドと言ってよい。アメリカ・ニューヨークを拠点としながら、ヨーロッパ人に受け入れられやすい曲調、逆に言えばアメリカ人に受け入れられにくいサウンドを志向しているところが、ロックらしさの反映なのだろう。全米7位、全英10位。