HAPPY MONDAYS

ハッピー・マンデーズは1980年代末のイギリスの薬物蔓延の影響を受けたアシッドハウス、いわゆるマッドチェスターを代表するバンド。ザ・ストーン・ローゼズとともにブームを牽引した。93年に解散し、ボーカルのショーン・ライダーはブラック・グレープを結成。アルバム2枚で解散した。アシッドハウスは1989、1990年に最高潮を迎えたが、ハッピー・マンデーズの「イエス・プリーズ!」、ザ・ストーン・ローゼズの「セカンド・カミング」で失速した。マンチェスターがアシッドハウス(マッドチェスター)の中心地になったのは、マンチェスターが若年層、低所得層の多い大都市であり、80年代に開発された薬物が若年層、低所得層に流行して享楽性の高い音楽が求められたから。

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SQUIRREL AND G-MAN TWENTY FOUR HOUR PARTY PEOPLE PLASTIC FACE CARNT SMILE(WHITE OUT)

1987年。邦題「スクワレール&G-MAN」。ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、特に何もしないベズの6人編成。イギリスのバンドとしては難しい時期にデビューしており、ニューウェーブ風のバンドサウンドではあるものの、取り立てて大きな特徴があるわけではない。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルがプロデュースしている。「24アワー・パーティ・ピープル」収録。日本盤は1992年発売。

2
BUMMED

1988年。邦題「ならず者」。ロックらしさを前面に出し、ビートの強さを押し出している。曲の中でリズムが頻繁に変わることはなく、定型を維持する。「レイジー・アイティス」はビートルズの「涙の乗車券」のメロディーを引用し、過去のロックから切断しようとはしていないようだ。「カントリー・ソング」も「カム・トゥゲザー」を思わせる。日本盤は1991年発売。

W・F・L

1989年。シングル盤。「ロート・フォー・ラック」「マッド・キリル」「レイジー・アイティス」のリミックス、「24アワー・パーティ・ピープル」の4曲を収録。イギリスのアシッドハウスの中心的アーティストがハッピー・マンデーズだということを、帯で強調している。このシングル盤で日本デビュー。

MADCHESTER RAVE ON

1989年。EP盤。イギリス・マンチェスターがアシッドハウスの中心地であり、ハッピー・マンデーズがその中核アーティストであることが、このEP盤で決定的となった。

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PILLS 'N' THRILLS AND BELLYACHES

1990年。「ならず者」以降、イギリスのアシッドハウスが大きく盛り上がり、ハッピー・マンデーズとストーン・ローゼズがその中心バンドとなった。プロデューサーがDJのポール・オークンフォールドになり、バンドの代表作となった。サウンドが整えられて厚みがあり、ダンスしやすい一定のリズムを持続する。「ステップ・オン」はジョン・コンゴスの「ヒズ・ゴナ・ステップ・オン・ユー・アゲイン」のカバー。「キンキィ・アフロ」収録。

HAPPY MONDAYS LIVE

1991年。ライブ盤。

4
YES PLEASE!

1992年。90年代以降のロック、ポップスでは代表的な失敗作とされる。プロデューサーがトーキング・ヘッズのメンバーに変わり、カリブ海のバルバドスで録音したため、前作のアシッドハウス風ロックからカリブ海風のシンセサイザーロックとなった。都市下層が求めるアシッドハウスと、バンドが興じるカリブ海のダンスの質的な差は大きく、このアルバムの失敗がマッドチェスターの急激な失速の原因となった。このアルバムで解散。

IT'S GREAT WHEN YOU'RE STRAIGHT...YEAH/BLACK GRAPE

1995年。ハッピー・マンデーズの中心人物だったショーン・ライダーとベズが結成したポップなロックバンド。メンバーは不定。基本的なバンド編成の他に、パーカッション、サックスを使う。アシッドハウスやカリブ海風ロックの面影はほとんどなく、ファンクに近いポップなロックだ。この時期にオアシス、ブラー、パルプ、スウェードをはじめとするブリットポップが流行しており、ブラック・グレープもその波に乗る形となった。ハッピー・マンデーズの復活ではないがショーン・ライダーの復活とは言えるだろう。

GET HIGHER/BLACK GRAPE

1997年。シングル盤。アルバム収録曲とリミックス2曲、ライブ1曲を収録。

STUPID STUPID STUPID/BLACK GRAPE

1997年。ホーンセクション、シンセサイザー、サンプリングを使い、同時代のイギリスのロックに合わせたかのようなサウンドだが、同時にブラック・グレープの個性を見出すことは難しくなっている。ボーカルはソウル風の歌い方を踏襲しており、90年代の冷笑的な雰囲気はない。このアルバムで解散。

GREATEST HITS

1999年。ベスト盤。

5
UNCLE DYSFUNKTIONAL

2007年。再結成。