2011年。メインボーカルは男性で、女性は数曲のリードボーカルを取る。男性の声は高め。若いのでアップテンポの曲が多く、楽器の密度も高い。音階の幅が広く、メロディーが起伏に富んでいる。若さを開き直りではなく、前向きで躍動的な咆哮に持っていったところがすばらしい。日本盤は2012年発売。
2013年。ハードなサウンドになっている。アメリカのブルックリンで流行しているサウンドをロサンゼルスで録音したことによって、明るく勢いが出ている。エレクトロニクスを操るユニット編成ではなく、バンド編成で録音しているのでアンサンブルのずれを生むことができ、それが音の緊張感を緩和している。男女ボーカルなのでコーラスに幅があり、メロディーの抑揚も大きい。「ボーダーラインズ・アンド・エイリアンズ」「ディドゥント・ハフ・トゥー・ゴー」などは覚えやすい。
2016年。ベースが交代し、メンバー全員がアメリカ人になった。デビューして5年経つので、やや内省的になったり、サウンドが落ち着いたりしても構わないが、拠点であるアメリカ・ロサンゼルスの環境なのか、若く勢いのあるサウンドを保っている。男性ボーカルも声が高めなので、男女どちらがボーカルをとっても高揚感が出る。最後の「ハリウッド」はミドルテンポ。今のところニューヨークとは異なる外向きのエネルギーを感じられるが、メンバーの年齢が上がるといつまでも明るめのポップな曲ばかりというわけにはいかなくなる。次作で何らかの変化があっても、それほど否定的にとらえることはないだろう。