1981年。現ユーライア・ヒープのキーボード、フィル・ランゾンとボーカルのバーニー・ショウ在籍のバンド。イギリスでは珍しくスティクスやジャーニーに影響を受けたキーボード主導型ロック。コーラスもハイ・トーンであか抜けていて、アメリカのバンドと言われたら信じてしまいそうな音だ。フィル・ランゾン作曲の「ウィッチ・ウェイ・ディッド・ザ・ウィンド・ブロウ」は傑作。
1982年。ボーカルがロビン・マコーリーに交代。それに伴ってコーラスのキーが下がった。メロディーの抑揚が小さくなったように感じるため、やや地味に聞こえる。個々に分析すれば、ギターで始まる曲はハードなリフで始まり、キーボードで始まる曲はマイナー調で始まる。このため、明るく爽快に感じる曲が少なくなるということになる。
1983年。キーボードがデビュー盤のころの広がりのあるシンセサイザーの音に戻り、コーラスも整合感がある。「サムライ」というタイトルで日本での知名度が高い。「刀には魂が宿る」というサビは、ヨーロッパの騎士道思想と共通するものがある。
1986年。ロビン・マコーリーがグランプリ解散後、GMTを経て参加したプロジェクト。トトのボビー・キンボール、スティーブ・ルカサー、デビッド・ペイチ、キング・クリムゾンのメル・コリンズ等が参加している。トトそのものの音もあるAOR。ロビン・マコーリーとボビー・キンボールが歌うレッド・ツェッペリンの「天国への階段」のカバーがイギリスで大ヒットした。フリーの「ファイアー・アンド・ウォーター」のカバーも入っているが別のボーカルが歌っている。プロジェクトはこの一枚で消滅、ロビン・マコーリーはMSGに参加する。