1999年。キーボードを含む5人編成。フィンランド出身。中心人物はキーボードのトロールホーン。サウンドもキーボードが厚く、デス・メタルやブラック・メタルではあまり見られないことをやっている。アルバムタイトル曲はアコーディオンを使用。ドラムとキーボードが同一のリズムをとって舞曲風になっているところが頻繁に出てくる。アルバムのオープニング曲とエンディング曲はインストで、同じような雰囲気を持つイージーリスニング。
2001年。ギターが1人増え6人編成。ヨーロッパの民謡の一形態であるポルカを取り入れているとされる。前作で見られた舞曲風のリズムがこのアルバムでも聞かれるので、そのリズムを指してポルカと判断していると思われる。実際はポルカではなくフンパで、ポルカの方が知名度が高いためにポルカが優先して使われたようだ。フンパはフィンランドの民族音楽。このアルバムだけ日本盤が出て、「スラゲット・ヴィド・ブロドサルヴ」が代表曲となっている。ヨイク、バンジョーを使用。サウンドは前作よりもハードになった。
2003年。ボーカルが1人増え7人編成。前作とは大きく変わり、ダンス音楽としてのフンパは一切取り入れていない。アコースティック楽器中心で、フィンランドの古代を描いているような寒い情景が表現されている。サウンドだけを見ればヘビーメタルではない。
2004年。ギターが死亡し交代、ボーカルが1人抜け6人編成。5曲入りシングル。4曲はアルバム未収録曲。
2004年。「ジャクテンズ・ティド」ほどの派手さはないが、ストリングス、アコーディオンのような音はキーボードで代用している。ギターがキーボード並みに大きく響き、ヘビーメタルらしいサウンドになった。ドラムも高速に演奏され、民族音楽を取り入れたヘビーメタルとしてはバランスがよい。
2007年。ボーカルが交代。キーボードで大仰になったブラック・メタルとしては、民謡が入っているかいないかにかかわらず、質が高くなっている。あくまでもヘビーメタルを中心に置き、キーボードや民謡風サウンドは装飾として取り入れている。各楽器の音やボーカルの発音はきれいに聞き取ることができる。音の悪さや演奏技術の未熟さをブラック・メタルの雰囲気でごまかそうとするバンドとは一線を画す。曲タイトルは現地語で、英語ではない。チュリサスほどではないが、金管楽器風のキーボードで勇壮に編曲した曲が多い。7曲目は民族音楽色が最も強い。「ポルカを取り入れたブラック・メタル」から「高品質な民謡風ブラック・メタル」の転換に成功したと言ってよい。
2010年。1曲目は2曲目につながる民族音楽風のイントロで、この形式は3曲目以降アルバムの前半で踏襲される。8曲目以降はヘビーメタルのサウンドに直接入る。キーボードがメロディーを主導し、ギターがリズム楽器のように使われる点は変わらない。質は低くないが、もともと持っていた民族的ダンス音楽のリズムが希薄になり、他の同ジャンルのバンドとの差がなくなっている。このアルバムからレコード会社が変わり、ヨーロッパ全体で売れるようになった。
2013年。キーボードがメロディーを主導し、ギターが音に厚みを加えるメロディック・デスメタル。フィントロール特有の跳ねるようなリズム、キーボードで代用した民族楽器風の音色がふんだんに入っている。11曲全曲が単独で完結したメロディック・デスメタルとなり、個性を確立したと言えるだろう。