1998年。テクノ・グループ、ビーツ・インターナショナルのノーマン・クックによるプロジェクトがファット・ボーイ・スリム。個人で活動するプロジェクト名である。比較的シンプルなリズムに60年代から70年代風のサウンドを乗せている。メロディーも分かりやすく、ネタ元になったであろう有名な曲もいろいろ想像できる。
1998年。邦題「ロングウェイ・ベイビー!!」。おもしろ半分の感覚が楽しさを生み出す。ケミカル・ブラザーズほどのこのアルバムでクラブ・ミュージックの一線に立った。「ロッカフェラー・スカンク」収録。
1998年。シングル盤。「エヴリバディ・ラヴズ・ア・カーニヴァル(ラジオ・エディット)」収録。
1998年。シングル盤。「ジャック・イット・アップ(DJ・ディライト)」収録。
2000年。邦題「ガター・アンド・スターズ」。明るさや楽しさが減り、まじめさや暗さがある。ボーカルとして使われる声がソウル風だ。メイシー・グレイが参加。「サンセット(バード・オブ・プレイ)」はドアーズのジム・モリソンの声をサンプリングしているという。
2002年。ライブ盤。ファットボーイ・スリムが全曲を演奏しているのではなく、ファットボーイ・スリムを中心とするイベントの実況録音盤。14曲のうちファットボーイ・スリムがかかわっているのは4曲で、単独で演奏しているのは1曲。アンダーワールド、ベースメント・ジャックス等が参加。レイヴン・メイズの「ザ・リアル・ライフ(ファットボーイ・スリム・ミックス)」はクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」をサンプリング。
2005年。「ロングウェイ・ベイビー!!」のころの雰囲気に戻り、サウンドがにぎやかだ。オープニング曲の「ドント・レット・ザ・マン・ゲット・ユー・ダウン」はファイブ・マン・エレクトリカル・バンドの「サインズ」をサンプリングしている。70年代前半にヒットした有名な反戦歌。「ザ・ジョーカー」はスティーブ・ミラー・バンドのカバーで、ボーカルはブーツィ・コリンズ。「プット・イット・アウト・トゥゲザー」はノーマン・クックとブラーのデーモン・アルバーンの共作で、デーモン・アルバーンはボーカルも参加している。