1993年。片面にエンペラー、片面にエンスレイヴドが収録されているアナログ盤のCD版。このあとドラムが同性愛者殺人と教会放火で逮捕。
1994年。邦題「闇の皇帝」。ギター兼ボーカル兼キーボードを含む4人組。ノルウェー出身。ボーカルを普通にすればヘビーメタルとしてそれなりの評価を受けるであろうサウンド。音の密度が大きい。ボーカルのメロディーがあまりないという点ではデスメタルと同じだが、ブラック・メタルの場合は声が高い方に移動している。「マジェスティ・オブ・ザ・ナイト・スカイ」はよい。
1997年。邦題「闇の賛美歌」。いわゆるメロディック・スピード・メタル並みに大仰なサウンド。過激に演奏することは、音楽を聞いたときの「驚き」が極めて平凡で、過激さが感動につながることはほとんどない。過激な演奏はどう努力しても聞き手の推測しうる範囲内に収まってしまうことが多く、むしろ過激なまま異なる個性を出した方が得策だ。「燃ゆる尊厳」「聖なる大地へ」はよい。
1999年。邦題「闇の黙示録」。ベースが抜け3人編成。前作と同じ。4枚のスタジオ盤の中では、最も変化が少ない。ディープ・パープルに「紫の~」と、キッスに「地獄の~」とつくように、エンペラーのアルバムの邦題はずっと「闇の~」とついている。
2000年。邦題「闇の晩餐」。ライブ盤。
2001年。邦題「闇の終焉・ラスト・エンペラー」。メロディーを構成する要素として初めてコーラスを用いている。ストリングスの頻度も高くなり、新しいサウンドを提示できる可能性があったが解散。
2003年。2枚組ベスト盤。1枚目はアルバムから選曲。いい曲だと思う曲がそのまま収録されており、ブラック・メタルというジャンル以前のレベルで妥当な選曲。2枚目はカバーやシングル収録曲等。